◎来年の大統領選挙で政権奪取を狙う国民連合(RN)のマリーヌ・ル・ペン党首は、プロヴァンス=アルプ=コートダジュール地域での勝利を優先目標のひとつに掲げていた。
6月27日、フランスの地方議会選挙第2ラウンドの開票結果が公表され、極右の国民連合(RN)は伝統的な中道右派政党に敗れることが濃厚となった。
来年の大統領選挙で政権奪取を狙うRNのマリーヌ・ル・ペン党首は、プロヴァンス=アルプ=コートダジュール地域での勝利を優先目標のひとつに掲げていた。
しかし、RNは伝統的な中道右派の共和党に敗れることがほぼ確定した。
共和国前進(エンマルシェ/REM)のエマニュエル・マクロン大統領は27日、第2ラウンドの投票率が約30%にとどまったことに失望感を示した。REMは第1ラウンドでは比較的好調だった。
REMが地方選挙に立候補したのは今回が初めて。前回2015年の地方選挙時、同党は存在しなかった。
フランスの地域圏は複数県で構成される自治体であり、公共交通や高校の運営などの権限を担い、選挙は比例名簿式で行われる。
RNは地域圏で勝利したことがなく、ル・ペン党首は2022年の大統領選挙を見据え、プロヴァンスの奪取を目指していた。
開票結果によると、プロヴァンスのRN候補、ティエリー・マリアーニ氏は共和党候補のルノー・ミュズリエ氏に敗れたという。開票率75%の時点で、マリア―ニ氏は対立候補に10%以上差をつけられていた。
ミュズリエ氏はツイッターに、「私たちの地域は自由を選択した」と投稿した。左派の候補者は選挙から撤退することで左派票をミュズリエ氏に集め、勝利に貢献した。
ル・ペン党首は27日、「プロヴァンスの左翼はRNの勝利を妨害するために不自然な同盟を結んだ」と非難した。「左翼は私たちを議会から締め出すために同盟を結びました。彼らは地方をまとめることができるRNの能力を恐れているのです」
RNは北部のオードフランス地域を獲ると予想されていたが、保守派の国民運動連合(UMP)に敗れた。
UMPのグザヴィエ・ベルトラン党首(元大臣)は27日、「私たちは極右の侵攻は阻止しました」と述べた。
地元メディアによると、有権者は地方選挙に関心を示さず、特に若者の棄権率が高かったという。ある男性はインタビューの中で、「コロナと政治家にウンザリしている」と述べた。
気分屋のフランス人はマクロン大統領の厳しいロックダウンにウンザリしているが、アメリカのドナルド・トランプ前大統領を連想させる極右も受け付けないと主張している。