◎レンタカーで首都パリ郊外のナンテールを走行していた17歳のナエル・Mさんは6月27日、停止命令を無視し、警察官に射殺された。
2023年7月1日/フランス、首都パリ中心部、7歳の少年が警察官に射殺された事件に抗議する暴徒(Urman Lionel/ABACA/Shutterstock)

フランス全土で17歳の運転手が警察官に射殺された事件に抗議するデモが4夜連続で行われた。現地メディアが1日に報じた。

それによると、一晩で1300人以上が逮捕されたという。暴徒は建物や車に火を放ち、店舗を略奪。パリ、マルセイユ、リヨンなどで約2500件の放火が報告された。

内務省は暴動を鎮圧するために警察官約4万5000人を緊急配備している。同省によると、1日の暴動で警察官と消防士数十人が負傷したという。デモ参加者の負傷者数は不明である。

レンタカーで首都パリ郊外のナンテールを走行していた17歳のナエル・Mさんは6月27日、停止命令を無視し、警察官に射殺された。

この事件に抗議するデモはフランスの海外領に拡大。ギアナでは流れ弾に当たった公務員が死亡した。

ダルマナン(Gerald Darmanin)内相は1日、「4万5000人の警察官と憲兵隊は取り締まりを継続する」とツイートし、デモ隊に自制を呼びかけた。

マルセイユには機動隊員が200人ほど派遣される予定だ。

ソーシャルメディアで拡散した動画にはマルセイユの道路で催涙ガス弾を放つ警察官の姿が映っていた。

抗議デモに参加した市民の大半が平和的に市内を行進し、警察改革などを要求している。

マクロン(Emmanuel Macron)大統領は6月30日に大規模イベントを中止するよう関係当局に要請し。暴動に関与した者の大半が若者であると指摘。保護者に子供を外出させないよう訴えた。

一方、ドイツ大統領府は1日、マクロン氏の国賓訪問が延期になったと発表。仏大統領の独国賓訪問は約20年ぶりであり、両首脳はロシアのウクライナ侵攻や中国をめぐる安全保障問題などについて協議する予定だ。

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