◎フランスの政治家たちは6月から7月にかけて行われた国民議会選(下院、定数577)以来、膠着状態に陥っていた。
フランス大統領府は21日、マクロン(Emmanuel Macron)大統領の中道連合と共和党からなる新連立内閣を発表した。
バルニエ(Michel Barnier)首相率いる新政権は議会の過半数を有しておらず、難しい政権運営を強いられることになる。
首都パリを含む主要都市では最大勢力である左派政党「不屈のフランス」の支持者がデモ行進を行い、新政権に引退を勧告した。「去れ!去れ!去れ!」
フランスの政治家たちは6月から7月にかけて行われた国民議会選(下院、定数577)以来、膠着状態に陥っていた。
左派4党から成る連合「新人民戦線(緑の党、社会党、共産党、不屈のフランス)」は180議席強を獲得、マクロン氏の与党連合を上回ったものの、過半数には遠く及ばなかった。
議会の空転から2カ月以上が経過。ついに脆弱なバルニエ政権が発足した。
マクロン氏は今月初め、極左と極右の圧力を受け流し、ベテラン政治家のバルニエ氏を首相に指名した。
バルニエ氏はブレグジットの元交渉担当で、難しい交渉の末、政権をまとめた。
ルペン(Marine Le Pen)議員率いる極右「国民連合(RN)」は政権に参加していない。RNと左派が共闘すれば、不信任決議案を可決することも可能だ。
バルニエ氏の共和党は内相と国防相のポストを確保した。
フランスはEU政策において主導的な立場にあり、世界最大の経済大国のひとつだ。さらに核保有国として拒否権を行使できる国連安全保障理事会の常任理事国であるため、政府の構成と方向性は重要である。