◎主催者は14万人以上がデモ行進に参加したと主張した。
フランスの首都パリで16日、インフレに抗議する集会が開かれ、数千人が市内を行進した。
デモを主催した左派政党はマクロン(Emmanuel Macron)大統領と内閣に退陣を求め、参加者から喝采を浴びた。
地元メディアによると、18日に予定されている交通機関のストライキは予定通り実施される見込み。このストは石油労組のストがもたらした混乱に拍車をかける可能性がある。
このストにより、国内の製油所の大半が閉鎖され、ガソリンスタンドには大行列ができている。
マクロン政権は6月の議会選で過半数を失い、難しい対応を迫られている。報道によると、来年度予算案の議会審議は難航しているようだ。
議会選で左派連合を率いたメランション(Jean-Luc Melenchon)氏はデモ参加者に、「マクロンはフランスを破滅させようとしている」と語った。「あの男はダメです!引退を勧告します!」
主催者は14万人以上がデモ行進に参加したと主張した。
パリ警察は広場や通りに集まった群衆の数を推定することはできないと報告している。ロイター通信やAP通信などは数千人と報じた。
報道によると、一部の参加者が暴徒化し、ゴミ箱に放火したり、銀行のATMを破壊したりしたという。逮捕者が出たかどうかは不明。
今年、ノーベル文学賞を受賞したアニー・エルノー(Annie Ernaux)氏も集会に参加し、演説した。エルノー氏は食料・燃料・ガス・電気料金の高騰を抑える必要があると訴えた。
主催者はこの集会を「政府の無策に反対する行進」と名付け、気候変動対策への大規模な投資を求めるとともに、エネルギー、必需品、家賃の凍結など、物価高に対する緊急措置や、大企業や富裕層などに対する課税を要求した。