フランス海軍基地に無許可ドローン飛来、当局が捜査中
事件は北西部ブルターニュ地方の海軍基地で4日夜に発生。この基地には原子力潜水艦が配備されている。複数のドローンが検知され、基地警備を担当する海軍部隊が対処に当たった。
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フランス海軍の基地に未許可のドローンが飛来し、当局が捜査している。現地メディアが5日に報じた。
それによると、事件は北西部ブルターニュ地方の海軍基地で4日夜に発生。この基地には原子力潜水艦が配備されている。複数のドローンが検知され、基地警備を担当する海軍部隊が対処に当たった。
国防省は声明で、「軍施設へのいかなる空域侵入も本国では禁じられている」と述べ、所属部隊が妨害行動を取ったと明らかにした。ただし、ドローンに対して実際に銃撃があったのか、電子妨害(ジャミング)が用いられたのか、あるいは他の手段だったのかについては「明らかにできない」としている。
現時点でドローンの正体、操縦者、飛行目的などについて確認されておらず、逮捕者の情報もない。
この基地には4隻の原子力潜水艦が配備されており、フランスの海洋抑止の核を担う施設のひとつである。常時少なくとも1隻が戦闘任務で展開しており、国家の核抑止力の中枢である。
今回の事件は欧州各国で相次ぐドローン飛来の一例であり、空港閉鎖や軍・民間インフラ付近での目撃が報告されてきた。フランス当局はこうした侵入が「国際的な関与」を伴う可能性に言及しつつも、現時点で外国の関与を裏付ける決定的証拠は提示していない。
関係当局はドローンの飛行経路や機体のタイプ、操縦者につながる捜査を進めている。仮に外国または何らかの組織による偵察目的の侵入であれば、戦略施設への安全保障上の重大な脅威となる。その意味で、今回のケースは、今後の欧州における「ドローン対策」と「核関連施設の警備体制」の在り方を問うきっかけになりうる。
現地メディアによると、基地の防衛部隊はドローンに適切に対応し、「重要なインフラへの直接的な脅威は確認されていない」という。
欧州をはじめ国際社会では最近、軍事施設や空港を含む複数の地域で未確認ドローンによる空域侵入や目撃が続いており、このような脅威に対する警戒感が高まっている。
