◎EUは保守的なハンガリーに対する圧力を強化しており、様々な問題に対する罰金やEU予算の一部凍結もあり得ると警告している。
10月26日、フランスの野党国民連合の党首であるマリーヌ・ル・ペン議員がハンガリーを訪問し、ポピュリストのオルバーン・ヴィクトル大統領と会談した。
ル・ペン党首は来年4月に予定されている仏大統領選への立候補を表明している。
会談後、ル・ペン党首は記者団に対し、「EU内でイデオロギーの覇権争いが起きている」と述べ、加盟国の極右指導者はより密接に連携しなければならないと主張した。「私たちは結束しなければなりません。自国と同盟国を守ることが私たちの仕事です」
EUは保守的なハンガリーとポーランドに対する圧力を強化しており、様々な問題に対する罰金やEU予算の一部凍結もあり得ると警告している。
ル・ペン党首はハンガリー政府を「非自由主義的民主主義」と呼んだEUを非難し、オルバーン大統領を擁護した。EUはハンガリーに対するコロナウイルス回復基金数十億ドルの承認を保留している。
ル・ペン党首は記者団に対し、「フランスはハンガリー人が求める自由を支持します」と語った。「オルバーン大統領はヨーロッパの自由の闘士であり、その行動と勇気はハンガリー人の意志を反映しています」
さらにル・ペン党首は、EUと激しい戦いを繰り広げているポーランドへの支援も表明した。地元メディアによると、ル・ペン党首は先週、EU首脳サミットに先立ち、ポーランドのマテウシュ・モラヴィエツキ首相と会談したという。
モラヴィエツキ首相との会談後、ル・ペン党首はポーランドに対する欧州委員会の圧力を「容認できない恐喝」と呼び、厳しく非難した。
ポーランドの憲法裁判所は今月、ポーランドの憲法はEU法より優先されると裁定し、EU法優位の原則を否定した。この判決に主要なEU首脳と欧州委員会は強い懸念を表明し、EU予算の一部凍結を含む制裁を科すと示唆している。
ル・ペン党首はEU加盟国か否かにかかわらず、国内法は全ての法律より優先されると強調した。「欧州委員会はハンガリーとポーランドを脅し、新しいタイプの覇権主義を構築しようとしています...」
一方、オルバーン大統領は米国の雑誌「アトランティック」に掲載された2019年のインタビューでフランスの政治家との協力を断固として拒否し、ル・ペン党首を「レッドライン(越えてはならない一線)」に例えた。
オルバーン大統領は当時、「私とマダム・ル・ペンは赤の他人です」と述べていた。
しかし、オルバーン大統領は26日の会見でル・ペン党首を「主権主義者」と呼び、EUへの対抗姿勢とハンガリーに対する支援表明を絶賛した。「私とマダム・ル・ペンはEU加盟国の権利を尊重するパートナーになるでしょう...」
オルバーン首相は来春の議会選挙で4期目を目指すと宣言したが、与党「フィデス=ハンガリー市民同盟」は2010年の政権奪取以来、最も厳しい戦いを強いられると予想されている。
一方、フランスの世論調査によると、政権奪取を目指すル・ペン党首は騒々しいテレビ評論家のエリック・ゼムール氏の追い上げに直面しているという。ゼムール氏は反イスラムと反移民政策を前面に押し出し、過激な右翼の支持を集めている。