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ロシアで食品価格高騰、過去2年間で40%値上がり


ロシアの統計局のデータによると、2026年初頭にスーパーマーケットの物価は1カ月で2.3%上昇し、肉や乳製品、塩、粉類、ジャガイモ、パスタ、バナナ、石鹸、歯磨き粉、靴下、洗濯用洗剤、医薬品など、ほとんど全ての生活必需品が値上がりしているという。
ロシア、首都モスクワの食料品店(Getty Images)

ロシア国内で食料品をはじめとする日用品の価格が急速に上昇し、多くの国民が生活の負担を強く感じている。ロシアの統計局のデータによると、2026年初頭にスーパーマーケットの物価は1カ月で2.3%上昇し、肉や乳製品、塩、粉類、ジャガイモ、パスタ、バナナ、石鹸、歯磨き粉、靴下、洗濯用洗剤、医薬品など、ほとんど全ての生活必需品が値上がりしているという。これは2022年2月にウクライナ侵攻が始まって以来、国民の財布を直撃する変化として広く実感されている。

英BBCニュースの調査では、首都モスクワのスーパーマーケットで毎年1月に同じ59種類の基礎食品セットを購入した場合、2024年には7358ルーブルだったのが、2026年1月には8724ルーブル、約18.6%上昇している。統計局の食品インフレ率18.1%とも一致し、食費の負担増が家計を圧迫していることが明確になっている。

モスクワ在住の広告専門家は1カ月で食費が22%以上増え、月額予算が3万5000ルーブルから4万3000ルーブル近くに膨らんだと語る。卵や鶏肉、季節の野菜などの価格が上がったことで、家計のやりくりが難しくなり、カフェのコーヒーも値段が上がっているという。

物価上昇の背景には複数の要因がある。ロシアは輸入に依存していた果物や野菜が多く、ルーブル為替レートの変動や供給網の混乱の影響を受けやすい。戦争開始後にはこうした要因が連動し、価格が押し上げられてきた。また乳製品は国内生産品であるにもかかわらず、農業コストの上昇、高金利、労働力不足などが重なり、過去2年間で41%もの値上がりを見せている。

さらに今年1月には付加価値税(VAT)が20%から22%に引き上げられ、税制面でも物価上昇が加速している。この税率引き上げについて、政府は「防衛と安全保障」の財源確保が理由、戦争遂行との関連が指摘されている。

これまでロシア経済は戦争初期に見られた高いインフレ率を何とか抑えてきたが、2025年には経済成長が鈍化し、賃金上昇がインフレに追いつかなくなった結果、国民生活を直撃する形で価格上昇が顕在化した。輸入に依存する商品の価格は為替の影響を受けやすく、ルーブル安が続いたことでさらなる負担増となっている。

一般市民の中には家計支出を見直し、牛肉の購入を控えて魚や安価な食材に切り替える人も出てきている。年金生活者など固定収入の層では、価格上昇によって基本的な食料の確保すら厳しくなっているとの声が聞かれる。政府は物価安定策を打ち出しているが、食料価格の高騰が国民の生活感覚に与える影響は依然として大きい。

戦争が4年目に入り、経済への圧力が強まる中で、物価上昇は社会不満の要因として注目されている。専門家はロシア経済が停滞または後退局面に入る可能性を指摘し、油価の変動や税制、輸入依存の構造的問題が今後の物価動向を左右すると分析している。国民生活に直結する価格問題は、政治的な安定にも影響を与える可能性がある。

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