◎イタリア政府は先週、アルバニアに2つの移民収容センターを開設。ここではイタリアで保護された男性移民を処理する。
2024年10月16日/アルバニア西部、16人の移民を乗せたイタリア海軍の艦船(AP通信)

地中海で保護された16人の移民を乗せたイタリア海軍の艦船が16日早朝、アルバニア西部の港に到着した。

地元メディアによると、16人は港で検査を受けた後、首都ティラナの北西約66キロに開設されたイタリア政府が運用する移民収容センターに移送される予定。

イタリア政府は先週、アルバニアに2つの移民収容センターを開設。ここではイタリアで保護された男性移民を処理する。

それによると、両センターの定員はそれぞれ3000人。400人の不法移民を一度に処理でき、収容数は数週間後には880人にまで増える見込みだという。

女性、子供、高齢者、病気や暴力の被害者はイタリアの施設に収容される。家族が引き離されることはない。

海軍は15日、アフリカ北部・リビアを出港し、地中海で保護された16人(バングラ人10人、エジプト人6人)を乗せて南部ランペドゥーザ島を出発した。

地元メディアは政府関係者の話しとして、「当初は18人の移民をアルバニアに送る予定であったが、2人の未成年が除外された」と伝えている。

イタリア政府とアルバニアの在イタリア大使館はこの件に関するコメントを出していない。

イタリア内務省によると、今年海路で同国に到着した移民は10月15日時点で5万4129人。昨年同時期は13万8947人であった。

イタリアのメローニ(Giorgia Meloni)首相とアルバニアのラマ(Edi Rama)首相は昨年11月に移民の受け入れに関する協定に署名。その期間は5年間で、イタリア当局が国際水域で拘束した移民のうち、毎月最大3000人をこの施設に送る。

アルバニアは収容した移民を精査し、本国に送還するかどうかを決める。

地中海は世界で最も多くの死者を出している亡命ルートのひとつだ。国際移住機関(IOM)によると、昨年は2500人以上の移民が死亡または行方不明となった。

今回開設された施設の1つは同国に到着した移民の検査を担当。空軍の空港跡地近くに建設されたもう1つの施設は亡命申請手続き中の移民を収容する。

EUの執行機関である欧州委員会のフォンデアライエン(Ursula von der Leyen)委員長はこの計画を承認しているが、人権団体は危険な前例になると非難している。

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