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▽セルビアではノビサドの駅で昨年11月に事故が発生して以来、政府に抗議するデモが全国各地で行われている。
2025年4月22日/セルビア、北部ノビサド、フランスから自転車で戻った学生たちを歓迎する人々(AP通信)

セルビア北部ノビササで22日、ブチッチ政権に抗議するために自転車でフランスに行き、多くの支持を集めてきた学生約80人を出迎える集会が開催され、数千人が参加した。

学生たちはハンガリー、スロバキア、オーストリア、ドイツを通過し、フランス東部ストラスブールに到着。欧州議会や欧州評議会の関係者と面会し、ノビサドの事故への対応を政府に求める署名などを集めた。

ノビサドの中心部にはレッドカーペットが敷かれ、数千人が学生たちを出迎えた。

セルビアではノビサドの駅で昨年11月に事故が発生して以来、政府に抗議するデモが全国各地で行われている。

この事故はノビサド中心部の鉄道駅の入り口で24年11月1日に発生。コンクリート製の天井が突然崩落し、6歳の少女を含む16人が死亡した。

ノビサド駅は1964年に建設され、近年2度改修工事が行われたものの、崩落した天井は工事に含まれていなかった。直近の工事は中国の国営企業が請け負っていた。

このデモは各地の学生ユニオンが主催。多くの学生が講義をボイコットし、政府に説明を求めるため、デモに参加している。

この結果、国内のほぼ全ての大学が閉鎖される事態となった。

学生たちはEU加盟国の支持を得ることで、より正義を追求しやすくなると考え、欧州議会のあるストラスブールに向かった。

学生ユニオンの代表は演説で、「私たちはより良い明日と、セルビア国民にふさわしい未来のために闘うと誓う」と語った。

学生たちは途中のハンガリーやドイツなどでも支持を集める集会を行った。

反対派と親政府派の対立が深まる中、各地で親政府派が反対派を襲撃する事件が相次いでいる。南部ニシュで先月末、デモに参加していた大学の職員がナイフで切りつけられる事件が発生。職員は手に軽傷を負ったものの、命に別条はなかった。警察が殺人未遂の疑いで女を現行犯逮捕した。

デモ隊は親政府派がブチッチ政権の偽情報を信じてデモ隊を攻撃していると非難。過去数カ月で、デモ隊の列に車が突っ込む事件が20件以上報告されている。

政府与党は過去の抗議デモを鎮めることに成功してきたが、現在の学生運動は農業組合、教職員、看護士、弁護士、医師、裁判官、俳優など、あらゆる階層から広く支持を集めており、収まるどころか勢いを増しているように見える。

検察は昨年末、駅崩落に関連してベシッチ(Goran Vesic)前建設相を含む13人を起訴した。13人は公共の安全に対する重大な犯罪行為と公共工事で不誠実な対応をした罪に問われている。有罪が確定すれば、12年以下の懲役刑に処される可能性がある。

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