◎フィンランドはロシアと1340kmの国境を共有している。
フィンランドのニーニスト(Sauli Niinisto)大統領は15日、ロシア人に対するビザ発給規則を強化する可能性があると示唆した。
ニーニスト氏は記者会見で、「多くのロシア人がフィンランドに不動産を所有しているという理由でビザを申請している」と指摘。不動産所有をビザ発給条件から排除したいと提案した。
ニーニスト氏はビザ取得を基本的権利のひとつとする一方、「発給側にも裁量権がある」と語った。「フィンランドに不動産やアパートを所有していればビザ申請が通りやすいと認識されています。しかし、もうその必要はありません...」
フィンランド放送協会(Yle)は先月、欧米の対ロシア制裁が強化されているにもかかわらず、フィンランドで今年不動産を購入したロシア人の数が増加していると報じた。
政府は9月1日付でロシア人に発給するビザ(観光目的含む)を通常の10分の1に減らした。これはウクライナ政府との連帯を示す措置とみられている。
ハービスト(Pekka Haavisto)外相は今週、Yleのインタビューの中で、「ビザ制限を導入した結果、多くのロシア人がフィンランドの不動産の権利を複数人に分割している」と語った。
報道によると、今年ロシア人バイヤーが購入したフィンランドの不動産の大半がロシア国境に近い南カレリア県に集中しているという。フィンランドはロシアと1340kmの国境を共有している。
EU圏外の国民がフィンランドで不動産を購入するには、フィンランド国防省の許可を得る必要がある。
フィンランドの警察は数年前から、フィンランドにおけるロシアの不動産取引について、ロシア大統領府が軍事的関心を寄せる物件が含まれている可能性があると警告してきた。
フィンランドは5月、NATOに加盟を申請した。