▽セルビアでは昨年11月から政府と北部ノビサドの駅天井崩落事故に抗議するデモが全国各地で行われている。
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セルビアの首都ベオグラードで8日、政府与党に抗議するデモを主導する女子学生が国際女性デーを記念して市内を行進した。
現地メディアによると、警察はこのデモ行進に合流しようとした農業組合のトラクター部隊を取り締まり、数人を拘束したという。
暴力は報告されておらず、負傷者の情報もない。
女性陣は市中心部を行進した後、政府与党に抗議するデモ隊に合流した。
行進を主導した女性生徒はAP通信の取材に対し、「国際女性デーに合わせて、バルカン半島で蔓延する女性に対する暴力や差別を断罪するメッセージを送りたかった」と語った。
北部ノビサドでも数百人の女性が市庁舎に生卵を投げつけ、幹部職員の性差別的発言に抗議した。
セルビアでは昨年11月から政府とノビサドの駅天井崩落事故に抗議するデモが全国各地で行われている。
このデモは各地の学生ユニオンが主催。多くの学生が講義をボイコットし、政府に説明を求めるため、デモに参加している。
この結果、国内のほぼ全ての大学が閉鎖される事態となった。
ノビサドの事故は市中心部の鉄道駅の入り口で24年11月1日に発生。コンクリート製の天井が突然崩落し、6歳の少女を含む15人が死亡、2人が重傷を負った。
この駅は1964年に建設され、近年2度改修工事が行われたものの、崩落した天井は工事に含まれていなかった。直近の工事は中国の国営企業が請け負っていた。
ブチェビッチ(Milos Vucevic)前首相は1月末、政府との対話に応じるようデモ隊に求め、辞任。ノビサドの市長も同日辞任した。
野党は広範な汚職とずさんな改修計画が事故を招いたとして、ブチッチ(Aleksandar Vucic)大統領に辞任を要求している。駅の落成式には多くの政府高官が出席していた。
次の大規模集会は3月15日にベオグラードで予定されている。
ブチッチ氏は8日、「彼らは暴力で何かを達成できると思っているようだが、それは大きな間違いだ」と声明を出した。
政府与党は過去の抗議デモを鎮めることに成功してきたが、現在の学生運動は農業組合、教職員、看護士、弁護士、医師、裁判官、俳優など、あらゆる階層から広く支持を集めており、収まるどころか勢いを増しているように見える。
ブチッチ氏はデモ隊を「外国勢力」と呼び、公共放送RTSもデモ隊が外国から報酬を得ていると主張。「国家転覆を企てている」と連日放送している。
検察は昨年末、駅崩落に関連してベシッチ(Goran Vesic)前建設相を含む13人を起訴した。13人は公共の安全に対する重大な犯罪行為と公共工事で不誠実な対応をした罪に問われている。有罪が確定すれば、12年以下の懲役刑に処される可能性がある。