◎テューリンゲン州議会選の8割の選挙区で集計がほぼ終わり、AfDは前回19年の選挙から得票率を9%近く伸ばし、全体の26%を獲得した。
ドイツ東部テューリンゲン州で26日、州議会選と市長選が行われ、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が票を伸ばしたものの、最大野党・キリスト教民主同盟(CDU)には及ばなかった。
今回の地方選は今年9月に行われる州知事選の前哨戦と位置付けられている。テューリンゲン州の知事選にはAfDの候補も立候補する予定だ。
AfDは2013年に発足した極右政党で、過去の党首は過激な政策を掲げ、情報機関の監視対象になっている。2014~15年のシリア難民危機時には移民に対する批判を利用して支持を集め、2017年に連邦議会に進出した。
地元メディアによると、テューリンゲン州議会選の8割の選挙区で集計がほぼ終わり、AfDは前回19年の選挙から得票率を9%近く伸ばし、全体の26%を獲得したという。
しかし、世論調査でほぼ横ばいだったCDUにはやや及ばず、第一党は難しい情勢となっている。
AfDの候補少なくとも9人が当選に必要な得票率に届かず、6月9日の決選投票に臨む予定だ。そのほとんどがCDUの候補と争っている。
テューリンゲン州はAfDが初めて首長を出した州である。
地元メディアによると、与党・社会民主党などの主流政党の支持者は決選投票で軒並みCDU側に回るとみられる。
AfDは旧共産圏の東部で強力な支持地盤を築いたが、来月の欧州議会選に出馬した候補がスキャンダルに見舞われるなど、この数週間は厳しい戦いを余儀なくされていた。
テューリンゲン州地裁は今月初め、同党の州代表であるヘッケ(Bjoern Hoecke)氏が2021年の演説でナチスのスローガンを故意に使用したと裁定。罰金1万3000ユーロの支払いを命じた。弁護団は即日控訴している。