ギリシャ中部のクッキー工場で爆発、5人死亡、7人負傷
爆発が起きたのはギリシャ有数のビスケット・クッキーメーカー「ビオランタ(Violanta SA)」の製造施設で、トリカラ市中心部から北へ約320キロの地点にある。
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ギリシャ中部トリカラ近郊の菓子工場で26日未明、爆発・火災が発生し、夜間シフトで勤務していた女性従業員5人が死亡、7人が負傷した。当局が明らかにした。
爆発が起きたのはギリシャ有数のビスケット・クッキーメーカー「ビオランタ(Violanta SA)」の製造施設で、トリカラ市中心部から北へ約320キロの地点にある。同社は全粒粉クッキーやチョコレート・サンドビスケット、シリアルバーなどを国内全土に供給するほか、40カ国以上へ輸出している。
爆発は夜勤中の午前4時前に発生したとみられ、爆発音は周辺の町や村でも聞こえたと伝えられている。爆発直後に激しい火炎が起き、建物の一部は焼け落ちるなど甚大な被害を受けた。消防は40人以上の隊員と複数の消防車を投入し、数時間にわたり炎と闘った。現場では炎と濃い黒煙が立ち上り、重機や救急車も駆け付けた。
消防当局は焼け跡から女性4人の遺体を発見し、さらに5人目の遺体の一部も発見したと明らかにした。遺体はDNA鑑定により身元確認が進められている。死亡した5人はいずれも夜勤に就いていた従業員で、同僚らや家族、地域社会は深い衝撃を受けている。
負傷した7人のうち、6人の従業員と1人の消防士が病院に搬送された。負傷者の多くは呼吸器系の問題などで治療・手当てを受けているが、重篤な状態ではないと報告されている。多くの従業員が避難した一方で、一部は爆発の衝撃で負傷し、その救出・治療に医療スタッフが対応した。
警察当局は爆発の原因究明に乗り出しており、稼働中のオーブン付近で発生した可能性があるとの見方を示している。ただ、現時点で確定的な原因は明らかになっておらず、当局が現場検証を続けている。工場は24時間体制で稼働し、当時も複数のラインが動いていたとされるが、正確な事故発生箇所や原因の特定には時間を要する見込みだ。
ミツォタキス(Kyriakos Mitsotakis)首相は26日、閣議でこの爆発に言及し、亡くなった5人と遺族に深い哀悼の意を表した。また、関係当局に対して迅速かつ徹底した調査を指示し、労働安全対策の強化を訴えた。
地域の労働組合や市民団体は事故を受けて抗議デモやストライキを呼びかけ、職場の安全対策の欠如を批判している。トリカラの主要労組は事故を「雇用主の過失」と非難し、再発防止のための徹底した安全基準の整備と責任追及を求める声明を発表した。
今回の爆発・火災はギリシャにおける近年の工場事故としても最も致命的なものの一つとなり、国内外で労働安全の重要性が改めて問われる事態となっている。捜査と復旧作業は続き、事故の全容解明と被災者支援が急がれている。
