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デンマーク議会選、与党劣勢、連立協議へ=出口調査


複数の出口調査では、同党の得票率は21%前後にとどまる見通しで、2022選挙の27.5%から大幅に減少したことが示されている。
2026年3月24日/デンマーク、首都コペンハーゲン、議会選挙の出口調査結果に反応する与党支持者(AP通信)

デンマークで3月24日に行われた議会選挙(一院制、定数179)において、主要政党の支持動向を示す出口調査の結果が示され、現職のフレデリクセン(Mette Frederiksen)首相率いる与党・社会民主党が支持を大きく落としたことが明らかになった。

複数の出口調査では、同党の得票率は21%前後にとどまる見通しで、2022選挙の27.5%から大幅に減少したことが示されている。にもかかわらず、同党は依然として最大勢力の単一政党としての位置を保つ可能性が高く、政権維持の道が完全に閉ざされたわけではないという見方も出ている。

今回の解散総選挙は与党が国内外で直面する課題を背景に実施された。フレデリクセン氏はロシアによるウクライナ侵攻に対する支援姿勢や移民政策に関して強硬な立場を取ってきたが、こうした外交的・安全保障上の取り組みが国内の有権者の支持につながらなかった側面が指摘されている。特に物価上昇や年金制度、税制改革といった「生活に密着した」課題が選挙戦の主要テーマとなり、これらへの対応が有権者の関心を集めた。出口調査に対して社会民主党の議員は、政府の国際的役割を評価しつつも、国内問題への注力が不足していた点が支持低迷の一因だと分析している。

出口調査では、左派勢力を中心とする「赤のブロック(Rød blok)」が最多議席を獲得する可能性が示されたものの、過半数に必要な90議席には届かないとの予測が出ている。一方、右派勢力も同様に多数派を確保できないとみられ、議会の勢力図は大きく分断される見通しだ。これにより、中道路線を掲げる政党が鍵を握ることになる可能性が高い。特に、元首相であるラスムセン(Lars Løkke Rasmussen)外相が率いる中道政党は、両ブロックのいずれとも組める立場にあり、今後の連立交渉のカギを握る存在と見られている。

このような情勢は、デンマークにおける伝統的な連立政治のあり方を象徴するものである。デンマークは比例代表制を採用し、一党での過半数獲得は稀である。そのため、複数政党による連立協議が不可欠で、選挙後には通常、数週間にわたる交渉が続く。政界関係者は今回のような「どちらの大連合でも過半数に達しない」結果は中道政党の交渉力を強めると指摘している。

フレデリクセン氏は昨年、トランプ米政権がグリーンランドへの関与拡大を図るという外交問題に対応する中で強いリーダーシップを示し、解散総選挙に踏み切った。しかし、こうした国際問題は選挙結果に直接的な影響を及ぼさず、むしろ国内課題への関心が有権者の投票行動に大きな影響を与えたとみられる。グリーンランド問題については、幅広い国民的合意が存在したため、選挙戦の主要争点とはならなかったとの分析もある。

出口調査の結果を受け、今後は各党が連立協議に向けた調整を本格化させる見込みである。社会民主党が最大党として政権の座を維持するためには、中道政党との協力関係を構築することが不可欠である。結果は今週中に確定する予定で、どの政党・政党連合が政権を形成するかには依然として不確定要素が多い。政治アナリストは、今回の選挙がデンマーク政治における新たな均衡点を示す可能性があると分析している。

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