◎与党「ジョージアの夢」は2008年の南オセチア紛争でロシアに「半殺し」にされたにもかかわらず、ロシアとの関係をリセットしたいと主張している。
2024年12月14日/ジョージア、首都トビリシの国会、大統領に選出されたカベラシビリ氏(AP通信)

ジョージア議会(一院制、定数150)が14日、ロシアを敬愛する元プロサッカー選手のカベラシビリ(Mikheil Kavelashvili)氏を大統領に選出した。

野党は国会をボイコットし、支持者に抗議デモを続けるよう呼びかけている。

議会や地方議会の議員などで構成される300人の選挙人団が今回初めて大統領を選出した。大統領の直接選挙は2017年に廃止された。

カベラシビリ氏は国会の多数派である与党「ジョージアの夢」の支持を得て、ズラビシュヴィリ(Salome Zurabishvili)大統領の後任に選ばれた。

デモ隊はジョージアの夢がEU加盟交渉の中断を決めたことに憤慨し、国会周辺で抗議デモを続けている。

ジョージアの夢は10月26日の議会選で過半数を獲得。野党とズラビシュヴィリ氏は政府がロシアの協力を得て票を操作したと主張し、国会をボイコットしている。

与党がEU加盟交渉の中断を決めて以来、抗議デモは激しさを増し、一部の暴徒と機動隊が衝突する事態となっている。

ジョージアの夢は2008年の南オセチア紛争でロシアに「半殺し」にされたにもかかわらず、ロシアとの関係をリセットしたいと主張している。

ジョージアとロシアの関係は南オセチア紛争で崩壊。ロシアはこの紛争で南オセチアとアブハジアの分離主義勢力を支援し、国土を切り裂いた。

それ以来、ロシア軍の支援を受ける分離主義者がこの両地域を実効支配している。

両地域はジョージアからの独立を一方的に宣言。ロシアはこれを承認したが、国連は認めていない。

一方、ズラビシュヴィリ氏は退任を拒否し、「正当な選挙で選ばれた議会の要求に従う」と主張している。

ズラビシュヴィリ氏は6年間の任期が終了する12月16日以降も執務室にとどまるとしているが、実現するかどうかは不透明な情勢だ。

ジョージアはロシアによるウクライナ侵攻後、EUへの加盟を申請。しかし、EUはジョージアの夢が物議を醸す反スパイ法を法制化したことを受け、加盟交渉を停止、財政支援の一部を凍結した。

米政府もこの法律を受け、数十人の政府高官を制裁リストに追加した。

ジョージアの夢は9月初めにLGBTQ+(性的少数者)の権利を侵害する「反LGBTQ法案」を成立させた。

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