◎ポンテ氏は旧ユーゴスラビアとルワンダの戦争犯罪法廷主任検事、シリア・アラブ共和国独立調査委員会の委員などを歴任した。
2017年3月1日/スイス、ジュネーブの国連欧州本部、シリア・アラブ共和国独立調査委員会のカルラ・デル・ポンテ委員(Martial Trezzini/Keystone)

元国連戦争犯罪主任検事であるカルラ・デル・ポンテ氏は2日、ロシアのプーチン大統領の国際逮捕手配書を発行するよう国際機関に呼びかけた。

ポンテ氏は旧ユーゴスラビアとルワンダの戦争犯罪法廷主任検事、シリア・アラブ共和国独立調査委員会の委員などを歴任した。

ポンテ氏はスイスの日刊紙ル・タン(Le Temps)が2日に掲載したインタビューの中で、「プーチンは戦争犯罪人だ」と述べている。

またポンテ氏は「ウクライナ侵略が戦争犯罪であることは明白」と述べ、プーチン大統領を厳しく非難した。

ポンテ氏は旧ユーゴとルワンダの国連調査を監督し、集団墓地の調査にもあたっている。

スイスの日刊紙ブリック(Blick)もポンテ氏のインタビューを掲載している。

ポンテ氏はブリック紙に、「ウクライナ侵略で集団墓地が作られたという報道を聞き、ショックを受けた」と語った。「集団墓地は二度と見たくないと思っていました。そこに埋葬された人々はなぜ自分が死んだのか理解できません。愛する人が埋葬されたことを知らない人もいます...」

またポンテ氏は大量虐殺以外の戦争犯罪として、「民間人への攻撃、民間施設の破壊、村や町への砲撃、空爆、銃撃」などを挙げた。

ポンテ氏によると、ウクライナは国際的な調査を要請しているため、現地調査は旧ユーゴのように難航することはないという。国際刑事裁判所(ICC)の主席検察官であるカリム・カーン氏は先月、ウクライナを訪問している。

ポンテ氏は「ICCが戦争犯罪の証拠を見つけたら、決定を下した者にたどり着かなければならない」と強調した。「指揮系統をさかのぼれば、プーチンの責任を問えるでしょう」

またポンテ氏は旧ユーゴの独裁者で元大統領のスロボダン・ミロシェヴィッチが国際法廷で起訴されたことに言及し、「当時、ユーゴの大統領が裁かると信じた人はいなかった」と述べた。「プーチンの責任も問えます。ミロシェビッチに対する調査が始まったとき、彼はまだユーゴの大統領でした。当時、あの男が裁かれる日が来るなんて、誰が信じたでしょう?」

ミロシェヴィッチは欧州を代表する独裁者のひとりで、1992年のユーゴ崩壊以降もNATOと激しく対立し、ユーゴ紛争を主導した戦争犯罪人(ジェノサイド罪)として身柄を拘束され、国際法廷の審議中に獄中死した。

ポンテ氏はウクライナ軍によるロシア人捕虜の拷問疑惑についても言及し、両国とも戦争犯罪の可能性について調査を受けるべきと述べた。

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