EU海軍部隊、ソマリア沖で海賊の襲撃受けたタンカーの安全確保
ソマリアの海賊は先週、インドから南アフリカのダーバンへガソリンを輸送中であったマルタ船籍のタンカー「ヘラス・アフロディーテ号」を襲撃した。
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EUの海軍部隊アスピデスは11日、アフリカ東部・ソマリア沖で海賊が使った漁船を接収し、マルタ船籍のタンカーの安全を確保したと発表した。
それによると、EU艦隊による海上作戦アタランタの部隊とインド海軍が共同で対応に当たったという。
ソマリアの海賊は先週、インドから南アフリカのダーバンへガソリンを輸送中であったマルタ船籍のタンカー「ヘラス・アフロディーテ号」を襲撃した。
アタランタはこの翌日、スペイン海軍のフリゲート艦「ビクトリア」で同タンカーに接近、海賊に投降するよう促した。
この結果、ヘラス・アフロディーテ号の乗組員24人は無事生還。海賊は漁船に乗って逃亡した。
アスピデスによると、海賊はソマリアの海岸でこの漁船を乗り捨て、どこかに逃走したという。
アスピデスは声明で、「ヘラス・アフロディーテ号と乗組員全員の安全を確保し、24人の体調が良好であることも確認した」と述べた。
海賊が使った漁船はイラン船籍であった。
アスピデスは声明の中で、「この海域で活動していた海賊が撤退したことを確認した」と述べ、「本件に関する証拠と情報を収集し、容疑者逮捕に向けたソマリア当局の捜査を支援するために、必要な資料を提供する予定である」と説明した。
ソマリア沖で横行していた海賊行為は2011年をピークに減少していたものの、過去2年で新たな攻撃が何件か報告されている。
米国やEUなど、多くの西側諸国がソマリア沖で海上警備に当たっている。
世界銀行はソマリアの海賊が2005~12年にかけて、乗組員を人質にすることで3億4000万~4億1300万ドルを稼いだと推定している。
海賊の脅威は国際的なパトロールの強化、ソマリア政府の取り締まり強化、その他努力によって減少した。
しかし、ガザ紛争をめぐってイエメンの親イラン武装組織フーシ派が紅海で船舶への攻撃を開始した後、海賊がそれに便乗して活動を活発化。海賊による襲撃は昨年、増加に転じた。
ソマリア沖では昨年、海賊によるシージャックが少なくとも7件報告されている。
