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欧州の安全保障顧問団がウクライナ和平案を協議

国際社会においても、ウクライナ戦争の終結をめざす外交的取り組みは緊迫した局面を迎えている。
2026年1月3日/ウクライナ、首都キーウ、安全保障会議(AP通信)

ウクライナ戦争を終結させるための和平提案をめぐり、欧州各国の国家安全保障顧問らが1月3日、ウクライナの首都キーウで会合を開き、新たな外交推進策について協議した。今回の会合は米国主導の外交的取り組みが強化される中で行われ、来週フランス・パリで予定されているゼレンスキー(Volodymyr Zelenskyy)大統領と欧州各国首脳との首脳会談に向けた準備と位置付けられている。

ウクライナのウメロフ(Rustem Umerov)国家安全保障・国防会議書記は会合前にX(旧ツイッター)を更新。「これから多忙な一日となる。安全保障や経済問題、枠組み文書の作成、パートナーとの次のステップの調整に取り組む」と述べ、カナダやNATOの代表も出席すると明らかにした。

会合では、ウクライナと欧州のパートナーが協調して検討している安全保障の保証案が議題となった。ウクライナ軍を第一線の防衛力とし、欧州主導の部隊をウクライナ国内に展開、さらに米国の「バックストップ(支援)体制」を含めた多国間の安全保障枠組みを策定する計画が示されているという。

またウクライナは、国際的な支援合意として今後10年間で約8000億ドル(約125兆円)規模の経済支援パッケージについて主要なパートナー間で合意に達したと強調した。これは被害補償や復興支援、経済安定化、成長促進を含む包括的な支援策であり、ウクライナのEU加盟に向けた改革と連動しているとされる。具体的な資金源は公的助成や優遇融資を中心に約5000億ドル程度を見込んでおり、詳細は今後数週間で詰められる見通しだ。

ゼレンスキー氏は3日、約30カ国の高官らとの会合を発表し、戦争を許容できる形で終結させる努力を支援する国々との計画を明らかにした。この連合の国家安全保障顧問会議の後、1月6日にはパリで各国首脳が集まる首脳会談が予定されている。

ゼレンスキー氏はまた、大統領府人事として、シュミハリ(Denys Shmyhal)国防相をエネルギー相兼第一副首相に据える提案を行い、ウクライナの軍事・外交戦略の強化を図る意向を示した。さらに、2日には軍情報部長を新参謀長に任命するなど、国家安全保障と防衛体制の強化に向けた方針転換を進めている。

こうした外交努力の最中も、ロシア側の攻撃は続いている。東部ハルキウ州ではロシアのミサイル攻撃により幼い子どもを含む死者が出ており、ミコライウ州ではドローン攻撃により重要インフラが損傷し停電が発生したとの報告もある。このため、戦闘停止と恒久的な和平に向けた国際的な協調の重要性が改めて浮き彫りとなっている。

国際社会においても、ウクライナ戦争の終結をめざす外交的取り組みは緊迫した局面を迎えている。今回の安全保障顧問会合と今後の首脳会談を契機に、具体的な和平案の合意形成が進むかどうかが注目されている。

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