◎パリのメーデーに参加した覆面の男たちは銀行、ファストフード店、小売店の窓ガラスを破壊した。
欧州各地で激しいメーデー集会が開催された。
フランスの労働者は先月再選を決めたマクロン大統領に辞任を求め、警察に石を投げつけ、ゴミ箱などに火を放った。
AP通信によると、パリの集会に参加した覆面の男たちが銀行、ファストフード店、小売店の窓ガラスを破壊したという。警察は催涙ガス弾を撃ち込み、覆面集団に襲い掛かった。
市内のある通りでは消火にあたっていた消防士が卵を投げつけられた。
仏内相は1日の声明で、女性を含む少なくとも45人を拘束し、警察官8人が負傷したと述べ、メーデーに紛れて略奪に走る暴徒を「凶悪犯」と非難した。
欧州のメーデーは暴動に発展することが多い。過去2年はコロナの影響で制限されていた。
トルコのイスタンブール警察はフル装備で暴動に備えた。トルコ警察は声明で、164人を拘束したと発表した。
ドイツのベルリンでも労働者が卵を投げつけ、騒動を起こした。
市内の労働組合集会に参加したベルリン市長(与党社会民主党所属)は演説中に卵爆弾を投げつけられたものの、何とか回避した。市長は演説の中で「卵投げは役に立たず、何の価値もない」と一蹴した。
イタリアでも全国各地で抗議デモが行われ、ローマの野外会場ではメーデーコンサートが開催されていた。組合は労働環境の改善、平和、ウクライナ侵攻の終結を求めた。
イタリアの主要労働組合のひとつであるCISLの代表は、「平和と労働者の権利を確保するためにガンバロー!」と叫んだ。
世界の労働者がインフレ、燃料価格の高騰、食糧不足への不満を表明した。
北マケドニアの首都スコピエでは、数千人の労働者、失業者、退職者が賃上げと労働者の権利の尊重を要求した。インフレ率は14年ぶりの高水準にある。
同国の労働組合連盟の代表は、「全面的な賃上げを要求する」と労働者に約束した。「経済危機が労働者の給料を食いつぶしています。最低賃金を引き上げる時がきました!」
フランスのファイヤーメーデーの参加者はマクロン大統領の再選に抗議した。
パリの集会の中心人物は大統領選で3位に入った急進左派のメランション氏だった。低中所得者層、特に若者はメランション氏の政策を支持しているようである。
一方、左派の代表格だった社会党は苦戦しており、集会の規模も小さかった。
メランション氏は「中道マクロンに議会を支配されてはならない」と労働者に語った。「我々は勝つ!勝つ!勝つ!」
フランス24によると、全国各地で250ほどのデモ行進や抗議活動が行われたという。労働者たちは国民の生活を第一に考えるというマクロン大統領に圧力をかけ、定年を62歳から65歳に段階的に引き上げる政策を非難した。
マクロン大統領は国を維持しつつ年金を支給し続けるためには定年の引き上げが必要不可欠と訴えている。
一方、メランション氏は労働時間短縮と最低賃金引き上げのために働くと約束し、平和的な行進を呼びかけた。
大統領選でマクロン大統領に敗れた極右国民連合のル・ペン党首は党の式典を初めて欠席し、代わりにジョルダン・バルデラ議員が出席した。
バルダラ議員は支持者に「選挙は終わっていない」と呼びかけた。「来月、第3ラウンド、国民議会選挙が行われます。マクロンに全権を委ねるなんてありえません。マクロンの権力の座から引きずり下ろしましょう」