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ハンガリー総選挙、ブダペストで右派集会、劣勢のオルバン首相を応援


オルバン氏は反移民政策や国家主権の重視、EUへの対抗姿勢などを掲げ、「非自由主義的民主主義」とも呼ばれる統治モデルを築いてきた。
2026年3月23日/ハンガリー、首都ブダペストで開催された与党集会、フランスのマリーヌ・ルペン議員(AP通信)

ハンガリーで4月に予定されている総選挙を前に、オルバン(Viktor Orbán)首相と与党の政治路線が大きな試練を迎えている。欧州各国の極右・右派勢力はオルバン氏への支持を強めているが、国内では支持率低下が指摘され、16年に及ぶ長期政権の行方が注目を集めている。

オルバン氏は反移民政策や国家主権の重視、EUへの対抗姿勢などを掲げ、「非自由主義的民主主義」とも呼ばれる統治モデルを築いてきた。この路線は欧州のみならず米国の保守派にも影響を与え、国際的な右派ネットワークの象徴的存在となっている。トランプ(Donald Trump)米大統領はオルバン氏を「欧州で最も偉大な指導者の一人」と呼んでいる。

選挙を前に首都ブダペストでは23日、欧州各国の右派指導者が集結し、オルバン氏への支持を表明。フランスのマリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)議員、イタリアのサルヴィーニ(Matteo Salvini)副首相、オランダのウィルダース(Geert Wilders)議員らが参加し、EUの権限縮小や国家主権の回復を掲げる連携を強調した。こうした動きは欧州議会でも影響力を持つ右派連合の拡大を示すものである。

しかし、国内情勢はオルバン氏にとって厳しさを増している。経済の停滞や公共サービスの弱体化、汚職疑惑などが重なり、有権者の不満が広がっている。世論調査では最大野党TISZA(尊敬と自由)が優勢とされ、政権交代の可能性も取り沙汰されている。

その中心にいるのが、TISZAのマジャル(Péter Magyar)党首である。同氏はEUとの関係修復や腐敗・汚職対策を掲げ、オルバン政権の対外孤立路線からの転換を訴えている。選挙はハンガリーの進路を左右する重要な分岐点と位置付けられている。

また、今回の選挙は国際政治の文脈でも注目されている。オルバン氏はロシアとの関係を維持し、ウクライナ支援を巡ってEUと対立してきた。こうした姿勢は欧州内で賛否を呼び、選挙結果がEUの結束や対ロシア政策にも影響を及ぼす可能性がある。

さらに、ロシアによる情報操作や選挙介入の疑惑も浮上しており、選挙の公正性への懸念も指摘されている。こうした外部要因は、国内政治の対立を一層複雑にしている。

今回の選挙は単なる政権選択にとどまらず、オルバン氏が体現してきた政治モデルの評価そのものを問うものとなる。もし敗北すれば、欧州や米国で広がる右派潮流に象徴的な打撃を与える可能性がある。一方で勝利すれば、その路線はさらに勢いを増すとみられる。

ハンガリーの有権者の判断は国内政治だけでなく欧州全体の政治バランスにも影響を及ぼす可能性があり、その結果に国際社会の関心が集まっている。

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