◎西側は「力による一方的な現状変更に反対する」という決意の下、団結してロシアに対抗してきた。
2024年11月9日/ウクライナ、首都キーウ、EUのボレル外交安全保障上級代表(右)(Getty Images/AFP通信)

EUのボレル(Josep Borrell)外交安全保障上級代表が9日、ウクライナの首都キーウを訪問し、同国への「揺るぎない支援」を表明した。

ボレル氏は米国のトランプ(Donald Trump)次期大統領を念頭に置き、「西側同盟国によるウクライナ支援は微塵も揺るがないと確信している」と強調した。

トランプ氏は24時間以内にウクライナ戦争を終結させると主張しているが、その詳細は明らかにしていない。多くの専門家がウクライナに不利な条件で停戦交渉が行われるのではないかと懸念している。

ボレル氏は記者団に対し、「EUによるウクライナへの揺るぎない支援を改めて表明する」と語った。

またボレル氏は「ロシアの侵略から祖国を守るというウクライナの決意を支え続けることが重要だ」と強調した。

トランプ氏は選挙期間中、ウクライナが和平を結ぶためにはロシアに領土を割譲しなければならないかもしれないと示唆したが、ウクライナはこれを拒否している。

ロシアはウクライナ東部と南部の4州(ドネツク、ルガンスク、へルソン、ザポリージャ)を併合し、ロシア連邦共和国の一部であると宣言した。

西側は「力による一方的な現状変更に反対する」という決意の下、団結してロシアに対抗してきた。

ゼレンスキー(Volodymyr Zelenskyy)大統領は7日、ハンガリーで開催されたサミットの中で欧州の首脳を前に、欧州と米国の関係を緩めないよう強く求めた。「プーチンに屈服し、引き下がり、譲歩する必要性が盛んに議論されているが、それはウクライナにとっても、欧州全体にとっても容認できないことだ...」

またゼレンスキー氏は「必要なのは軍事支援であり、プーチン寄りの話し合いではない」と強調した。「プーチンと抱き合っても何の解決にもならない。あなた方の中には20年間もプーチンと抱き合ってきた人がいるが、事態は悪化の一途をたどっている」

トランプ氏はウクライナへの莫大な軍事・財政支援の維持に疑問を投げかけ、「取引で戦争を終わらせることができる」と述べている。

ボレル氏はトランプ新政権がウクライナ戦争でどのような動きを見せるかは全く分からないとしたうえで、「バイデン(Joe Biden)大統領にはまだ2カ月の猶予がある」と述べた。

米政府は今週、トランプ氏の就任式(25年1月20日)までに、使用されずに残っているウクライナ向け軍事支援の資金を迅速に支出すると明らかにした。

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