SHARE:

EU首脳、「蚊帳の外」ガザ問題で関与模索、イスラエルへの圧力維持

EUの首脳たちは23日、ブリュッセルのサミットでロシアによるウクライナ侵攻をめぐる諸課題について議論。ガザ和平計画についても協議し、ガザの安定化に向けたEUの支援を約束した。
2025年10月23日/ベルギー、ブリュッセルのEU本部、ゼレンスキー大統領(左)と欧州委員会のフォンデアライエン委員長(AP通信)

EUの首脳らはトランプ政権が仲介したイスラエルとハマス間の停戦合意から取り残されたことを受け、ガザ地区と占領下のヨルダン川西岸地区でより積極的な役割を模索している。

EUの首脳たちは23日、ブリュッセルのサミットでロシアによるウクライナ侵攻をめぐる諸課題について議論。ガザ和平計画についても協議し、ガザの安定化に向けたEUの支援を約束した。

EUはパレスチナへの最大の支援提供国であると同時に、イスラエルの最大の貿易相手国でもある。

ルクセンブルクのフリーデン(Luc Frieden)首相は記者団に対し、「欧州は傍観するだけでなく、積極的に役割を果たすべきだ」と語った。

またフリーデン氏は「ガザ問題は終結しておらず、平和は未だ恒久的なものではない」と強調した。

ガザ紛争への怒りは27カ国からなるEUを分裂させ、イスラエルとEUの関係を歴史的な低水準に追い込んだ。

EUの執行機関である欧州委員会のフォンデアライエン(Ursula von der Leyen)委員長は先月、和平合意をイスラエルに迫るため、イスラエルに対する制裁と一部貿易停止を求める計画を発表した。

その後、トランプ政権が仲介した停戦合意により、この計画を推進する勢いは弱まり、一部の右派指導者はその廃止を求めている。計画の履行には27カ国の支持が必要である。

イスラエルのネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は今月初め、この計画に言及し、「欧州は(パレスチナ問題で)本質的に無関係であり、途方もない弱さを示している」と指摘した。

EUはトランプ政権のガザ和平計画に関与できず、蚊帳の外に置かれている。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします