EU首脳、トランプ政権の貿易提案について協議、相互関税迫る
トランプ政権による90日間の猶予期間が7月9日に終了すると、EUの輸入品には20%の関税がかけられる。
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EUは26日、ブリュッセルで開催された首脳会議で、米国からの新たな貿易協定提案について協議した。
欧州委員会のフォンデアライエン(Ursula von der Leyen)委員長は記者会見で、関税交渉が失敗する可能性を否定せず、「あらゆる選択肢を検討している」と述べた。
トランプ政権による90日間の猶予期間が7月9日に終了すると、EUの輸入品には20%の関税がかけられる。
これは自動車から医薬品など、あらゆる輸出業者に大きな打撃を与えることになる。EUが共通の見解を見出すための時間は残り僅かである。
首脳たちは迅速な貿易協定の締結を推進するか、より有利な協定の締結に向けて闘争を続けるかを決定するために会合を開いたが、2大経済大国は明らかに意見が分かれている。
ドイツのメルツ(Friedrich Merz)首相はEU指導部に対し、「遅くて複雑な」貿易協定ではなく、「迅速かつ単純な」貿易協定を結ぶよう促した。
フランスのマクロン(Emmanuel Macron)大統領も迅速かつ実用的な貿易協定を望んでいるものの、「均衡のとれていない条件は受け入れられない」と述べている。
マクロン氏は記者会見で、「公正な合意を確保するためにはあらゆる手段を講じる必要があり、米国の一律関税10%が維持される場合、EUの対応も同等の影響力を持つものでなければならない」と指摘。トランプ政権が関税を撤廃しない場合は同党の関税を課す必要があると示唆した。
フォンデアライエン氏は「我々はさらなる交渉のために、米国の最新の書簡をまだ精査している」とした。
またフォンデアライエン氏は「取引の準備はできている。同時に、満足のいく合意に達しない可能性に備えている。要するに、すべての選択肢がテーブルの上に残っているということだ」と述べた。
米国が提示した案の詳細は明らかになっていない。ロイター通信は外交筋の話しとして、この文書を「2ページにわたる原則合意」とし、「米国は特定の産業部門に参入することを望んでいない」と報じた。
一方、首脳たち26日、ウクライナ侵攻を巡るロシアへの制裁について、さらに6カ月間延長することで合意した。