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▽EUは2011年、アサド旧政権による市民への弾圧に対抗して、政府関係者や組織に対する資産凍結など、複数の制裁を科した。
2025年1月27日/ベルギー、ブリュッセルのEU本部、カラス外交安全保障上級代表(AP通信)

EUカラス(Kaja Kallas)外交安全保障上級代表は27日、対シリア制裁の解除に向けた取り組みを開始することで合意したと明らかにした。

カラス氏はブリュッセルの記者団に対し、「加盟国はシリアに対する制裁措置の解除を開始することで合意したが、暫定政権に問題が確認された場合、再び制裁を発動する用意がある」と語った。

EUは2011年、アサド旧政権による市民への弾圧に対抗して、政府関係者や組織に対する資産凍結など、複数の制裁を科した。

最終的に制裁リスト入りした個人は316人、団体は86まで増加した。

アサド(Bashar Assad)前大統領は先月初め、タハリール・アルシャーム機構(HTS)率いる反体制派による電光石火の攻勢に対応できず、ロシアに逃亡。これにより、50年にわたるアサド一族の独裁に終止符が打たれた。

カラス氏は外相会合の中で、「制裁緩和のためのロードマップに合意した」と述べた。

またカラス氏はその目的について、「暫定政権の妨げとなっている制裁を解除し、前進を支援する」と説明した。

ただし、「27カ国は政治的な合意に達しただけであり、すぐに制裁を緩和するものではなく、この数週間で解決しなければならない技術的な問題がある」と強調した。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のグランディ(Filippo Grandi)高等弁務官は先週、西側諸国による対シリア制裁が復興の妨げになっているとして、制裁を解除するよう訴えた。

制裁の多くはアサド政権を対象としているが、そのほとんどが政権崩壊以降も維持されている。

カラス氏は制裁緩和について、「経済に弾みをつけ、同国が立ち直る手助けになるだろう」と述べる一方、「迅速に行動することを目指しているが、状況が悪化した場合には軌道修正する用意もある」とした。

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