◎約30人のセルビア人武装集団は9月24日、コソボ北部に侵入し、警察官を殺害してバリケードを設置。その後、コソボ警察との数時間に及ぶ銃撃戦に発展した。
EUと米国の特使団は21日、コソボとセルビア両政府に対し、関係正常化に向けた対話を再開するよう促した。
欧米の特使団はコソボの首都プリシュティナで首相らと会談。その後、セルビア・ベオグラードに移動し、ブチッチ(Aleksandar Vucic)大統領とこの問題について協議した。
会談に参加したドイツ、フランス、イタリアの外相はバルカン地域の緊張が高まっていることに深刻な懸念を表明し、対話で問題を解決するよう強く促した。
約30人のセルビア人武装集団は9月24日、コソボ北部に侵入し、警察官を殺害してバリケードを設置。その後、コソボ警察との数時間に及ぶ銃撃戦に発展した。この銃撃戦で武装集団の男3人が死亡した。
特使団によると、コソボの外務当局者はこの事件について、「武装した個人による犯行であることは認識しているが、コソボ警察に対する明白な攻撃はこの地域の緊張が爆発寸前であることを示唆している」と述べたという。
コソボ政府は欧州の同盟国に対し、セルビアに制裁を科すよう要請している。
コソボは2008年にセルビアからの独立を宣言。西側の大半はこれを承認したが、セルビアやその同盟国であるロシアと中国は認めていない。
コソボ紛争(1998~99年)の死者数は1万3千人と推定されている。セルビア軍によるアルバニア系住民の虐殺は国際的な批判を引き起こし、NATOが紛争を終わらせるためにセルビアを空爆した。
NATOは事件後、約4500人の要員で構成されるKFOR(NATO平和維持部隊)の兵力を強化。イギリス軍の兵士約200人、ルーマニア軍の兵士約100人からなる大隊を追加配備した。
またNATOはKFORの戦闘力を向上させるために、高性能な装備品を追加導入したとしている。