◎調査によると、約4億5,000万人が生活するEU加盟国の16歳以上の市民の約28%は、自宅を1週間離れて休暇を楽しむ余裕がないという。
欧州労働組合連合の調査によると、EU加盟国の低所得世帯の大多数に夏休みを楽しむ余裕はないという。
同連合には欧州38カ国の約4,500万人が加盟している。調査によると、そのうち3,500万人のEU市民が十分な収入を得られておらず、夏休みを過ごす余裕がないことが明らかになったという。
同連合のエスター・リンチ副書記は報告の中で、「休暇は一部の人の贅沢になり、低所得世帯は休みを逃している」と述べた。「多くの労働者が家族や友人との休日を楽しんでいる一方で、低所得世帯の家族数百万人がまともに夏休みを取れずにいます」
リンチ副書記は「休日の不平等」の拡大は、過去10年のEUの経済成長が公平に共有されていないことを意味すると指摘した。
調査によると、約4億5,000万人が生活するEU加盟国の16歳以上の市民の約28%は、自宅を1週間離れて休暇を楽しむ余裕がないという。また、EUが定める貧困ラインのしきい値(収入がEU平均賃金の60%以下)以下で生活している市民の約59.5%に夏休みを取る経済的余裕はないことも分かった。
最も深刻な国はギリシャで、貧困ライン以下の生活を余儀なくされている人の88.9%が休暇を取れず、ルーマニア(86.8%)、クロアチア(84.7%)、キプロス(79.2%)、スロバキア(76.1%)がそれに続く。
欧州労働組合連合は、「低所得世帯の大多数を占める失業者と退職者を支援しつつ、数百万人の低賃金労働者の労働環境を改善しなければならない」と述べた。「16のEU加盟国の労働者約2,200万人が貧困ライン以下に該当する収入しか得られていません。これらの国々では休日の不平等が拡大しています...」
貧困ライン以下の市民とそれ以外の市民の休日の過ごし方に大きな格差があった国はクロアチア、ギリシャ、ブルガリア、チェコ共和国、フランス、ルーマニアだった。
欧州労働組合連合は、EU法定最低賃金がEU平均賃金の60%を下回らないようにするために、「EU法に品位のしきい値」を導入するよう政府当局と協議していると述べた。これが実現すれば、2,400万人以上の収入が改善される見込み。