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EU外相、米国とイスラエルに軍事作戦の即時終結を要請 イラン戦争


EU内ではトランプ大統領の対外政策の「予測不可能性」に対する懸念も示されたと報じられている。
2026年3月16日/ベルギー、ブリュッセルのEU本部、カラス外交安全保障上級代表(ロイター通信)

EUのカラス(Kaja Kallas)外交安全保障上級代表は17日、進行中の米イスラエルによるイランへの軍事作戦について、直ちに戦闘を終結させるよう米国とイスラエルに強く求めた。カラス氏はロイター通信のインタビューで、戦争継続が地域と世界の安定に深刻な悪影響を及ぼしていると警告し、外交的解決策の模索を訴えた。

またカラス氏、現在EUが湾岸諸国やヨルダン、エジプトなど中東地域との協議を進めており、すべての当事者が「面目を保てる形」で戦闘を終結させるための外交的な枠組みの構築に取り組んでいると説明した。EUは紛争地域の緊張緩和に貢献する用意があるとしながらも、軍事介入については慎重な姿勢を示した形だ。

カラス氏はEUがホルムズ海峡の航行安全確保に関して、黒海の穀物輸送合意の枠組みをモデルにする案を模索していることを明らかにした。この合意はウクライナ戦争時の食料輸出を維持するために作られたもので、同様の協定を湾岸地域にも適用できる可能性を探っているという。

EU内ではトランプ(Donald Trump)大統領の対外政策の「予測不可能性」に対する懸念も示されたと報じられている。カラス氏は米国の政策目標が明確でないため、EUが十分に理解・対応できていない部分があると述べた。

イラン戦争は2月28日に米イスラエルの先制攻撃として始まり、イランが反撃に転じている。戦闘はレバノンやイラク、その他湾岸諸国にも波及、ホルムズ海峡での航行が実質的に機能停止状態となり、世界のエネルギー供給や価格に大きな影響を及ぼしている。

カラス氏の発言はEUが戦争の軍事的側面よりも外交解決を優先する立場を強調するもので、戦闘の即時終結と国際法の尊重を重ねて訴える意図がある。同時に欧州各国は戦闘拡大を避けるための外交的イニシアチブを積極的に模索し、国連事務総長とも類似した措置の実施について協議していると伝えられている。

イラン側はこれまで、米国とイスラエルをホルムズ海峡の緊張悪化の責任者として非難し、軍事的圧力が地域のエネルギー供給に重大なリスクをもたらしていると主張してきた。

一方で米国とイスラエルは軍事作戦の正当性を強調し続けている。イスラエルは戦争初期からイランの軍事・核関連施設を標的にしてきた。

カラス氏の立場はEUが米国主導の軍事戦略には直接関与しない方針を示すもので、ホルムズ海峡での軍事的な協力要請を受けても慎重に対応する姿勢をとっている。また、戦争によるエネルギー価格の高騰や経済への悪影響を懸念する声も強まっている。

カラス氏の呼びかけは国際社会における多国間外交の重要性と、軍事衝突の即時停止に向けた努力がいまなお求められている現実を反映している。欧州は今後も中東諸国や国連などと協調し、平和的な解決策を模索していく考えだ。

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