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EU、対ロシア制裁を6カ月延長、約2600の個人および団体


EUの執行機関である欧州委員会によると、今回延長された制裁はウクライナの領土保全や主権、独立を脅かす行為に関与した人物や組織を対象としている。
2026年3月7日/ウクライナ、東部ハルキウ州、ロシア軍の攻撃を受けた集合住宅(ロイター通信)

EUは14日、ロシアによるウクライナ侵攻をめぐり、ロシア政府を支援しているとされる個人や団体に対する制裁措置をさらに6カ月間延長すると表明した。この制裁は2026年9月15日まで継続され、ロシアに対する圧力を維持する姿勢を改めて示した形だ。

EUの執行機関である欧州委員会によると、今回延長された制裁はウクライナの領土保全や主権、独立を脅かす行為に関与した人物や組織を対象としている。制裁対象者には渡航禁止や資産凍結が科されるほか、EU域内の個人や企業が資金や経済的資源を提供することも禁じられる。現在、こうした措置の対象となっているのは約2600の個人および団体にのぼる。

今回の延長決定はEU加盟国の間で意見の対立があり、一時は決定が遅れる事態となった。特にハンガリーとスロバキアは制裁の見直しや対象者の削除を求め、延長に難色を示していた。両国はロシア産エネルギーへの依存度が高く、制裁がエネルギー供給や価格に与える影響を懸念している。

最終的にEUは制裁延長で合意したが、一部の修正も加えられた。制裁対象者のうち、生存している2人の個人についてはリストから削除され、さらに死亡が確認された5人も対象から外された。その1人にはロシア産石油の取引をめぐり制裁対象となっていたオランダ人実業家が含まれている。

EUはロシアが2022年2月にウクライナへの全面侵攻を開始して以来、段階的に制裁を拡大してきた。個人や企業への制裁に加え、金融、エネルギー、軍事関連技術など幅広い分野で経済制限が導入され、ロシア経済への圧力を強めている。EUはロシアがウクライナの主権を侵害し続けている限り、制裁を維持する方針を繰り返し示している。

一方、EU内部では制裁政策をめぐる意見の違いも目立っている。ハンガリー首相はエネルギー価格の高騰などを理由にロシア産エネルギーへの制裁を停止するべきだと主張、対ロシア政策をめぐるEU内の足並みの乱れを指摘する声もある。こうした対立はロシアから欧州に石油を送るドルジバ・パイプラインの供給問題などとも絡み、外交的な摩擦の要因となっている。

それでもEUはロシアへの圧力を維持することがウクライナ支援の重要な柱だと位置付けている。侵攻開始から4年以上が経過する中でも戦闘は続いており、EUは外交、軍事、経済の各面でウクライナへの支援を継続する方針である。今回の制裁延長はロシアに対する強硬姿勢を改めて示すもので、今後も状況に応じて追加措置が検討される可能性がある。

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