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エストニア当局、南東部の「ロシア領道路」の通行禁じる

エストニア内務省によると、サーツェ・ブーツでロシア兵の集団が目撃されたため、エストニア市民の通過を禁じたという。
エストニア南東部のロシア国境地帯(AP通信)

エストニア政府が南東部サーツェ・ブーツの道路を封鎖した。国営メディアが12日に報じた。

サーツェ・ブーツはロシアとの国境地帯に位置する独特な飛地状の地域である。この地域は、エストニアのヴォル地方に属するサーツェ村の近くにあり、形がブーツ(長靴)のように見えることからこの名がついた。

特徴的なのは、エストニアの一般道が「ロシア領」のブーツ部分を短時間通過することで、かつてはエストニア国内の村々を結ぶためにロシア領を経由する必要があった。

通行にビザ(査証)は不要であったが、道路から逸れることは禁止され、厳しく監視されている。これは冷戦期やその後のソ連崩壊の影響を受けた国境線の歴史的経緯による。

2010年代後半にはエストニア側に迂回路が整備され、ロシア領を通らずに目的地に行けるようになった。

エストニア内務省によると、サーツェ・ブーツでロシア兵の集団が目撃されたため、エストニア市民の通過を禁じたという。

エストニア警察・国境警備局は声明で、「この閉鎖措置は国境警備隊がロシア連邦領内で通常より大規模な部隊の動きを確認した後に実施された」と説明した。

また同局は「エストニア国民の安全と事故防止のため、サーツェ・ブーツを通る全長1キロの道路閉鎖を決めた」と述べた。

国営メディアによると、ロシア部隊は約10人で構成されていた。同地域ではロシア国境警備隊が活動しているが、道路の真ん中に立ち止まるのは異例だと報じられている。

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