◎ゼムール氏はテレビ番組やラジオでコメンテーターを務めたこともあるジャーナリストで、反イスラム、反移民、反ゲイを政権公約に掲げている
2021年12月5日/フランス、セーヌ=サン=ドニ県のビルパントで開催された極右集会、2022大統領選に立候補したエリック・ゼムール氏(Rafael Yaghobzadeh/AP通信)

1月17日、フランスの極右大統領候補であるエリック・ゼムール氏は同伴者のいない移民の子供に対するヘイトスピーチで憎悪を煽ったとして有罪判決を受けた。

パリの裁判所はゼムール氏に10,000ユーロ(約130万円)の罰金と原告側に賠償金を支払うよう命じた。

ゼムール氏は記者会見で上訴すると誓い、「発言を後悔していない」と述べた。「私はフランスのゆがんだ正義の犠牲者です...」

ゼムール氏は昨年11月、特定の移民グループに民族、国家、人種、宗教的な理由に基づき、「公の侮辱」と憎悪または暴力を扇動した罪で起訴された。

反人種差別団体を運営するメゾン・デ・ポテス氏は地元メディアの取材に対し、「ヘイトスピーチに対する判決は非常に軽い」と述べた。「私たちはゼムールの市民権剥奪を望んでいました。差別主義者は大統領選キャンペーンを続けるでしょう」

またデ・ポテス氏は、「ヘイトスピーチは極右の凶悪犯を煽り、悲惨な事件を引き起こしている」と述べ、ゼムール氏を非難した。

ゼムール氏はテレビ番組やラジオでコメンテーターを務めたこともあるジャーナリストで、反イスラム、反移民、反ゲイを政権公約に掲げ右翼の注目を集めている。最近行われた世論調査によると、ゼムール氏は中道右派のマクロン大統領の主要な挑戦者のひとりと見なされている。

ゼムール氏は2020年に放送されたインタビューの中で、フランスに移り住んだ両親のいない子供を「泥棒、人殺し、強姦犯」と呼び、物議を醸した。

またゼムール氏は、フィリップ・ペタン(第二次世界大戦中の首相)がフランスのユダヤ人をホロコーストから救ったと2019年のテレビ討論で主張し、「人道に対する罪」で起訴されている。

ゼムール氏は2010年に黒人とアラブ人に対する差別的な発言、2016年には反イスラム発言で憎悪を煽ったとして有罪判決を受けた。

2022仏大統領選挙は4月10日に行われる予定。第1ラウンドで過半数を獲得する候補者が出なかった場合は4月24日の決選投票で勝者を決める。

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