◎ドーバー海峡は世界で最も混雑する水路のひとつであり、毎日600隻以上の商船が航行している。
フランス、北部パ・ド・カレー県の砂浜(AP通信)

フランスからイギリスに向かおうとした移民船が沈没し、男性1人が死亡した。フランス沿岸警備隊が27日、明らかにした。

それによると、事故は北部パ・ド・カレー県の沖合で早朝に発生。複数人が乗りこんだゴムボートの空気が抜けたという。

事故を目撃した住民が警察に通報。沿岸警備隊に連絡が入り、巡視艇が出動した。

カレー県当局は声明で、「ゴミボートは海岸を離れてまもなく、空気が抜け沈没。ライフジャケットを装着していた移民たちは自力で海岸にたどり着いたが、着用していない者は溺れた」と述べた。

警察が40歳ぐらいのインド人男性を救助し、ビーチで救命処置を施したものの、助からなかった。

沿岸警備隊によると、直近7日間でイギリスを目指して出港した船を少なくとも57隻確認。沖合で阻止したのは32回であった。

今回の事故により、ドーバー海峡で今年死亡した移民は56人となった。昨年は16人、22年は5人、21年は35人であった。

ドーバー海峡は世界で最も混雑する水路のひとつであり、毎日600隻以上の商船が航行している。

イギリス内務省の統計によると、2018年以降、フランスから海峡を渡ってイギリスにたどり着いた移民・難民は約14万人。昨年海峡を横断した移民は約3万人で、22年の4万5000人超から大幅減となった。21年は約2万8000人、20年は約8500人となっている。

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