◎イギリスへの亡命を希望する人々は主にフランス北部カレーから頼りないボートに乗って出港する。
イギリス当局は14日、南東部ケント州の沖合で亡命希望者とみられる人々を乗せたボートが転覆し、少なくとも4人が死亡したと明らかにした。
当局によると、沿岸警備隊の船舶やヘリなどが捜索活動を行い、これまでに4人の遺体を収容したという。
スナク(Rishi Sunak)首相は声明で死者が出たことを確認したが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。
BBCニュースなどによると、ブレイバマン(Suella Braverman)内相が14日遅くの事故の詳細を公表する予定だという。
首相府は声明で、「4人の死亡が確認されたことは誠に遺憾であり、調査が進められている」と述べた。
報道によると、英海軍、国境警備隊、ケント州警察、仏海軍も捜索活動に参加または関与したという。
ボートが転覆したという情報がどこからもたらされたかは明らかになっていない。
イギリスへの亡命を希望する人々は主にフランス北部カレーから頼りないボートに乗って出港する。その多くに人身売買組織や地元のギャングが関与しているとみられる。
英仏両政府は組織を取り締まると同時に国境警備を強化し、移民を厳しく取り締まってきた。
しかし、危険な航海を選択する移民の数は増え続けている。
イギリス政府の統計によると、今年ドーバー海峡を横断して同国に不法入国した移民は4万4000人に達し、昨年の2万8000人を大きく上回ったという。2020年は約8500人だった。
スナク氏は13日、亡命申請の滞りを解消すると約束し、移民の数を抑える新しい措置を発表した。
スナク氏は議会演説で、「不法入国した人々が国内に留まれないようにする法案を来年早々に提出する予定」と明らかにした。
またスナク氏は亡命申請を迅速に処理するために職員を増員し、来年末までに14万3千件以上と推定される申請待ちを解消すると述べた。