◎ドーバー海峡は世界で最も混雑する水路のひとつであり、毎日600隻以上の商船が航行している。
2024年10月5日/フランス、北部パ・ド・カレー県カレー沖、移民船と沿岸警備隊の巡視艇(AP通信)

フランス当局は5日、北部パ・ド・カレー県沖でイギリスを目指していた2つの移民船で4人の死亡を確認したと明らかにした。

内務省は声明でこれを「悲劇的な事故」と嘆き、人身売買組織の取り締まりを続けると表明した。

カレー県知事は記者会見で、「沿岸警備隊が5日朝、救助要請があった移民船を捜索し、2歳の子供の死亡を確認した」と語った。

それによると、男児は狭いボートの中で他の移民に踏まれ、亡くなったとみられる。

このボートに乗っていた14人は事情聴取を受けるため本土に移送された。このうち17歳の少年が足に火傷を負っていたとして、病院に搬送された。国籍は明らかになっていない。

同日、83人の移民を乗せた小型ボートから数人が転落。巡視艇が救助したものの、3人の死亡が確認された。

ドーバー海峡は世界で最も混雑する水路のひとつであり、毎日600隻以上の商船が航行している。

イギリス内務省の統計によると、2018年以降、フランスから海峡を渡ってイギリスにたどり着いた移民・難民は約14万人。昨年海峡を横断した移民は約3万人で、22年の4万5000人超から大幅減となった。21年は約2万8000人、20年は約8500人となっている。

カレー県沖では先月初め、移民船が転覆し、12人が死亡。その2週間後にも同様の事故が発生し、8人が死亡している。

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