◎EUの消費者物価指数(CPI)は2022年後半の10.6%から2.3%まで低下している。
欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁(Getty Images/AFP通信)

欧州中央銀行(ECB)は12日、市場の予想通り、政策金利を0.25%引き下げた。これにより、同行の金利は3%となった。同行の利下げは3会合連続。

ラガルド(Christine Lagarde)総裁は成長率鈍化の兆候、フランスの政治的混乱による影響、米国の次期政権による関税など、複数の懸念について概説した。

ラガルド氏は記者団に対し、「ECBの目標値であるインフレ率2%は近づいており、利下げの余地はある」と述べた。

またラガルド氏は「ディスインフレのプロセスは順調に進んでいる」と強調した。

EUの消費者物価指数(CPI)は2022年後半の10.6%から2.3%まで低下している。

ラガルド氏はEU経済について、「9月の統計よりも景気回復は緩やかになる」との見通しを示した。

アナリストたちはEU経済が停滞し、今後数年間は低成長が続くと指摘している。EUの執行機関である欧州委員会は24年のGDP成長率を0.8%、来年は1.3%と予想している。

ユーロ通貨を使用する20カ国でパンデミック後の回復が鈍化している兆候が見られる中、金利低下は成長を下支えするはずだ。

トランプ(Donald Trump)次期米大統領が1月20日に就任した後、米国への輸入品に関税を課すかもしれないという警告は、輸出が成長と雇用の源である欧州のビジネス界に冷や水を浴びせた。

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