◎オランダのオオカミは10世紀以上前にドイツから入ったとされる。
野生のオオカミ(Getty Images)

オランダ中部ユトレヒト州政府は1日、市内で野生のオオカミが相次いで目撃されたことを受け、一部地域の住民に不要不急の外出を控えるよう要請した。

同州はEU全域で保護の対象となっているオオカミの殺処分を許可するよう中央政府に求めている。

地元メディアによると、州都ユトレヒト郊外の地区で7月31日、少女がオオカミに突き飛ばされ、軽傷を負ったという。この少女は擦り傷を負ったものの、大きなケガはなかった。

同州政府は声明で少女がケガ負った事件に言及。「人間のテリトリーに入るオオカミが複数確認されている」と述べ、市民に警戒を呼び掛けた。

オランダのオオカミは10世紀以上前にドイツから入ったとされる。

18世紀には絶滅寸前まで個体数を減らしたものの、2019年に郊外の農村部で野生の子オオカミが確認されて以来、個体数は徐々に回復しているようだ。

動物愛好家たちはオオカミを歓迎しているが、農村部で農作物や家畜が被害を受ける事案が多発。住宅地で目撃されるケースも増えている。

今年初めには人間に近づいてきたオオカミを追い払うためにペイントボール銃を使用する許可が下りた。

地元メディアによると、オオカミに襲われて重傷を負ったケースはまだ一度も報告されていないという。

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