◎ウィルダース氏は反イスラムを公約に掲げ、モスク、イスラム学校、聖典コーランを禁じるなど、過激な発言で物議を醸してきた。
オランダ、自由党(PVV)のウィルダース党首(Peter Dejong/AP通信)

先月のオランダ下院選(定数150)で衝撃的な勝利を収めた極右「自由党(PVV)」のウィルダース(Geert Wilders)党首が13日、「首相になりたい」と表明した。

ウィルダース氏は議会演説の中で「全国民のために働きたい」と述べ、「PVVは憲法を遵守する」と誓った。

PVVは先月の選挙で37議席を獲得。左派連合(PVDA・GL)は25議席、自由民主党は24議席、中道の新社会契約党(NSC)が20議席であった。

地元メディアによると、PVVの連立交渉は完全に行き詰まっているように見える。PVDA・GLと自民党は連立交渉から完全に手を引いている。

ウィルダース氏は反イスラムを公約に掲げ、モスク、イスラム学校、聖典コーランを禁じるなど、過激な発言で物議を醸してきた。

下院議長は11日、PVVに対し、連立政権発足に向けた交渉を加速すべきだと発言。ウィルダース氏にプレッシャーをかけた。

政界引退を表明しているルッテ(Mark Rutte、56歳)首相の自民党は現在の4党連立政権を維持できるかどうかを協議している。

連立を組む可能性のある一部の政党、特に20議席を獲得したNSCはウィルダース氏の選挙公約の一部が信教の自由を含む同国の憲法に違反していると深刻な懸念を表明している。

ウィルダース氏は演説の中で、「時には提案を撤回しなければならないこともあるだろう。私は憲法に則った政策を立てる。PVVは憲法を守る政党であることを全国民に示すつもりだ」と語った。

しかし、野党議員はウィルダース氏の言葉に納得しなかったようだ。

PVDA・GLの報道官はウィルダース氏の演説を「嘘っぱち」と非難。「差別主義者の首相などいらないし、国民が許さない」と述べた。

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