◎新政権は主要政策のひとつである移民排斥でいきなり批判に直面した。
オランダで2日、反イスラムの極右「自由党(PVV)」率いる連立政権が発足し、情報機関の元長官であるシューフ(Dick Schoof)氏が首相に就任した。
同国の首相交代は14年ぶり。ルッテ(Mark Rutte)前首相は今年10月にNATO事務総長に就任する予定だ。
シューフ氏と他の閣僚15人はアムステルダムの宮殿で宣誓。ウィレムアレクサンダー国王(King Willem-Alexander)がこれを承認した。
昨年11月の下院選(定数150)を制したPVVのウィルダース(Geert Wilders)党首は入閣しなかったが、大きな影響力を行使するとみられる。
新政権は主要政策のひとつである移民排斥でいきなり批判に直面した。
現地メディアによると、宮殿前には数十人のデモ隊が集まったという。ある女性は看板を掲げながらこう訴えた。「オランダは民主主義国家です。この恥さらしども!」
連立を組むのはPVV、ルッテ氏の自由民主党、中道の新社会契約党、中道右派の農民市民運動党。
新政権は亡命希望者に対する厳しい措置を導入し、難民の家族再統合を廃止し、国内で学ぶ留学生の数を減らす予定だ。
連立パートナーの反対により、物議を醸すウィルダース氏は首相の座に就けなかった。
ウィルダース氏は連立交渉が暗礁に乗り上げたことを受け、モスク、イスラム学校、コーランを禁止する政策を撤回した。
しかし、ウィルダース氏は「考えを変えるつもりはない」と言明している。同氏は先週、X(旧ツイッター)に、「イスラム教は卑劣で暴力的で憎しみに満ちた宗教だ」と投稿した。