◎トルコとハンガリーは以前からルッテ氏の立候補に難色を示していた。
オランダのルッテ首相(右)とNATOのストルテンベルグ事務総長(ロイター通信)

ハンガリー政府は18日、近々退任するオランダのルッテ(Mark Rutte)首相のNATO事務総長選出馬を容認すると明らかにした。

これにより、ルッテ氏のNATO事務総長就任は大きく前進する運びとなった。

ハンガリーのオルバン(Viktor Orbán)首相はルッテ氏宛ての書簡で、事務総長選出馬を容認する意向を示した。

現職のストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)氏は2014年からNATO事務総長を務め、今年10月に退任する。

ロシア寄りのオルバン氏がルッテ氏支持に回ったため、7月9~11日に米ワシントンD.C.で開催されるNATO首脳会議は紛糾を避けられる見通しとなった。

トルコとハンガリーは以前からルッテ氏の立候補に難色を示していたが、トルコは今年4月、ルッテ氏の出馬を容認した。

事務総長就任には加盟32カ国の同意が必要である。

ストルテンベルグ氏は先週ハンガリーを訪問し、オルバン氏と会談。NATOの計画を妨害しないよう求め、オルバン氏はこれに同意した。

ストルテンベルグ氏は記者会見で、「国防費をGDP比2%とするNATOの目標は強制ではない」と強調。オルバン氏は「ルッテ氏の口から同じことを聞きたい」と述べた。

オルバン氏は18日、X(旧ツイッター)に声明を投稿。EU首脳会議中にルッテ氏に書簡を渡したと明らかにした。

ルッテ氏はオルバン氏に謝意を示し、「次期NATO事務総長として、ストルテンベルグ氏とあなたが会談で約束したことを支持する」とXに書き込んだ。

オルバン氏はルッテ氏にこう返答した。「ルッテ首相がNATOの事務総長に就任した場合、この取り決めを全面的に支持し、今後も支持し続けることを確認しました。彼の誓約を踏まえ、ハンガリーはルッテ首相のNATO事務総長就任を支持する用意があります」

ハンガリー政府はルッテ氏が3年前に同政府に批判的な発言をしていたと苦言を呈し、謝罪を要求していた。

ルッテ氏は「過去の発言がハンガリーの不満を招いたことに留意する」と記した。

米英独仏などのNATO主要国もルッテ氏を後任に充てる人事を支持すると表明している。

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