オランダ極右・自由党が連立政権から離脱、下院選へ

ウィルダース氏は先週、移民と難民の受け入れを完全に停止し、シリア難民を母国に送還し、収容施設を閉鎖するという自身の提案を支持するよう要求した。
2025年6月3日/オランダ、首都アムステルダム、自由党(PVV)のウィルダース党首(AP通信)

オランダ議会下院(定数150)の野党は4日、右派の与党・自由党(PVV)が連立政権から離脱したことを受け、できるだけ早い時期に選挙を行うよう求めた。

PVVのウィルダース(Geert Wilders)党首は3日、連立政権から離脱すると表明。これにより、スホーフ(Dick Schoof)首相率いる連立政権は崩壊した。

ウィルダース氏は先週、移民と難民の受け入れを完全に停止し、シリア難民を母国に送還し、収容施設を閉鎖するという自身の提案を支持するよう要求した。

連立パートナーである自由民主党、新社会契約党、農民市民運動党はこの提案を支持しておらず、移民担当大臣が政策を立案すべきと指摘していた。

PVVは23年11月の下院選で第1党に躍進。ウィルダース氏は入閣していないものの、影響力を行使している。

PVV連立政権は昨年7月に発足。今後数ヶ月間で軍事費の増額を含む予算法案などを審議を進める予定であった。

地元メディアによると、選挙管理委員会が近いうちに下院選の日程を決める予定。それまではスホーフ氏が暫定政権を率いることになる。

議会は7月4日から9月1日まで休会となる。秋までに選挙が行われる可能性は低いとみられる。

スホーフ氏は声明で、「暫定政権下であっても、今後数カ月の間、重要な政策については引き続き管理していきたい」と述べた。

またスホーフ氏は「ウクライナ支援や防衛に必要な予算案を含め、国内および国際的な安全保障に関する問題について議論する用意がある」とした。

最新の世論調査によると、PVVの支持率は第2党である親EU派の労働党と拮抗している。

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