オランダの左派中道政党、歴史的な合併で右派に挑戦へ

「労働党」と「緑の党」はこの日、新たな単一政党を結成するという議案に圧倒的な賛成票を投じた。両党は長年、議会で協力関係を築いてきた。
オランダ議会下院(Getty Images)

オランダの中道左派政党2党が12日、総選挙を目前に控えたタイミングで合併に合意した。

この合併はオランダの政治潮流を右派ポピュリズムから転換させることを目指すものだ。

「労働党」と「緑の党」はこの日、新たな単一政党を結成するという議案に圧倒的な賛成票を投じた。両党は長年、議会で協力関係を築いてきた。

両党の議員は今後、オランダ語で「Groen Links-PvdA」という名称の政党に所属することになる。

投票後、両党は共同声明で、来年までに新政党を立ち上げる予定であると発表した。

労働党は声明で、「これは歴史的な瞬間だ」と述べ、緑の党と連携して右派に勝利すると誓った。

議会下院(定数150)の野党は先週、右派の与党・自由党(PVV)が連立政権から離脱したことを受け、できるだけ早い時期に総選挙を行うよう求めた。

PVVのウィルダース(Geert Wilders)党首はその前日、連立政権から離脱すると表明。これにより、スホーフ(Dick Schoof)首相率いる連立政権は事実上崩壊した。

下院選挙は10月29日に行われる予定である。それまではスホーフ氏が政権を維持することになる。

ウィルダース氏は移民と難民の受け入れを完全に停止し、シリア難民を母国に送還し、収容施設を閉鎖するという自身の提案を支持するよう要求した。

連立パートナーである自由民主党、新社会契約党、農民市民運動党はこの提案を支持せず、移民担当大臣が政策を立案すべきと指摘していた。

PVVは23年11月の下院選で第1党に躍進。ウィルダース氏は入閣していないものの、影響力を行使している。

最新の世論調査によると、労働党と緑の党の支持率はPVVを上回っている。

SHARE: