◎オランダの都市や町は多くのウクライナ人に滞在場所を提供しているが、中東・アフリカ・アジアの貧しい国々から逃れてきた人々にはあまり関心を持っていない。
オランダ、首都アムステルダムの市議会は30日、ドイツ国境近くの亡命希望者受付センターの屋外で寝泊まりしていた移民約1000人を、港に係留されるクルーズ船に一時的に収容する計画を承認した。
オランダ公共放送BNNによると、このクルーズ船はアムステルダム市と連邦政府との協定に基づき、少なくとも6カ月間、アムステルダムの港に係留される予定だという。
クルーズ船に移民を一時避難させる計画を承認した都市は2つ目。BNNによると、そこに収容された人々はクルーズ船を自由に出入りできるという。
ルッテ(Mark Rutte)首相は先週末、北東部のドイツ国境近くにある亡命希望者受付センターの屋外仮設キャンプで約700人が寝泊まりしていたという報告を受け、「恥ずかしく申し訳ない気持ちになった」と述べた。
国際医療援助団体「国境なき医師団(MSF)」のオランダ支部はこの施設に医師を派遣し、人々に医療を提供している。
アムステルダム市議会のワッシンク(Rutger Groot Wassink)議員は30日、この問題を解決するためにできることをしなければならないと声明を発表した。
またワッシンク氏は、助けを求めている人々が不衛生な屋外施設で寝泊まりしていた様子を見て「胸が張り裂けそうになった」と述べた。「アムステルダム市議会は連邦政府と協力して彼らの居場所を確保する取り組みを推進しなければなりません...」
BNNによると、クルーズ船への収容は10月1日から始まる予定。連邦政府はこれを一時的な措置とし、自治体と協力して亡命希望者の受け入れ態勢を整備し、制度も改革するとしている。
政府によると、亡命希望者を一時的に避難させる施設が全国的に不足しており、庇護手続きを申請した多くの難民・移民が承認を待つ間、受付センターにとどまらざるを得ない状況が続いているという。
政府報道官は30日、アムステルダム市議会に謝意を示し、全国の自治体と協力して亡命希望者の受け入れ態勢を整えていきたいと述べた。