◎オランダでコーランを冒涜することは犯罪ではないが、宗教や信念を理由にある集団を故意に侮辱することは刑法違反。
オランダの検察当局は14日、首都アムステルダムの国会前でイスラム教の聖典コーランの写しを破り、イスラム教徒を侮辱した活動家を捜査していると発表した。
イスラム嫌悪の反移民団体「西洋のイスラム化に反対する愛国的欧州人(PEGIDA、ペギーダ)」のリーダーとされるワーゲンスベルト(Edwin Wagensveld)氏は1月、コーランを「ファシストの本」と呼び、イスラム教徒を罵った。
ハーグの検察庁は声明で、「ドイツに住む54歳のオランダ人の発言は刑法に違反している可能性がある」と説明した。
ワーゲンスベルト氏はドイツ在住。ペギーダのオランダ支部リーダーを務めているとみられる。検察は個人情報保護法に基づき、ワーゲンスベルト氏の名前には言及していない。
検察によると、オランダでコーランを冒涜することは犯罪ではないが、宗教や信念を理由にある集団を故意に侮辱することは刑法違反だという。
検察はワーゲンスベルト氏が「コーランを破る際に発した言葉」に問題があるとして捜査しているようだ。
検察は声明の中で、「この男性は1月の件で警察の取り調べを受けることになる」と述べている。
ワーゲンスベルト氏は14日、検察の捜査を「職権乱用」と批判した支持者のツイートをリツイートした。
NATO加盟を目指すスウェーデンの首都ストックホルムで1月21日行われた反トルコデモではコーランの写しが焼かれた。
トルコ政府はこれに激怒し、スウェーデンのNATO加盟申請は暗礁に乗り上げた。NATO加盟には全加盟国の承認が必要である。
フィンランドは今週、NATOに加盟した。