▽同国では政府与党と北部ノビサドの駅天井崩落事故に抗議するデモが全国各地で行われている。
セルビア・ベオグラードの抗議デモ会場で車が群衆に突っ込み、女性少なくとも1人が重傷を負った。警察が16日、明らかにした。
同国では政府与党と北部ノビサドの駅天井崩落事故に抗議するデモが全国各地で行われている。
警察によると、暴走車の運転手は現場から逃走し、その後、逮捕されたという。
公共放送RTSは関係者の話しとして、「若い女性少なくとも1人が重傷を負い、市内の病院に搬送された」と伝えている。
それによると、女性は意識があり、容体も安定しているという。
ベオグラード警察は声明で、「容疑者は殺人未遂を含む複数の罪に問われている」と述べたが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。
デモが始まって以来、このような事件は何件か報告されているが、重傷者が出たのは今回が初めてである。
このデモは各地の学生ユニオンが主催。多くの学生が講義をボイコットし、政府に説明を求めるため、デモに参加している。
この結果、国内の大学の大半が閉鎖される事態となった。
ノビサドの事故は市中心部の鉄道駅の入り口で昨年11月1日に発生。コンクリート製の天井が突然崩落し、6歳の少女を含む15人が死亡、2人が重傷を負った。
この駅は1964年に建設され、近年2度改修工事が行われたものの、崩落した天井は工事に含まれていなかった。直近の工事は中国の国営企業が請け負っていた。
野党は広範な汚職とずさんな改修計画が事故を招いたとして、ブチッチ(Aleksandar Vucic)大統領に辞任を要求している。駅の落成式には多くの政府高官が出席していた。
ベオグラードの中心街では16日午後、数千人の大学生が集まり、負傷した女性への支持を表明。政府与党に退陣を要求した。
検察は昨年末、ベシッチ(Goran Vesic)前建設相を含む13人を起訴した。13人は公共の安全に対する重大な犯罪行為と公共工事で不誠実な対応をした罪に問われている。有罪が確定すれば、12年以下の懲役刑に処される可能性がある。