◎ドネツク・ルガンスク両人民共和国はロシアのクリミア侵攻(2014年)を利用し、ウクライナから分離独立した。
ウクライナ東部の分離主義国家であるドネツク人民共和国は19日、市内で爆発が発生し、少なくとも13人が死亡、多くの市民が負傷したと報告した。
ドネツク当局はウクライナ軍が民間施設を砲撃したと主張している。ウクライナ軍はこの爆発に関する声明を出していない。
ドネツクとルガンスク人民共和国はロシアのクリミア侵攻(2014年)を利用し、ウクライナから分離独立した。
ドネツク当局はウクライナ軍が町を攻撃したと何度も非難している。
西側のメディアはこの地域に近づけず、現場の状況を確認することは困難である。しかし、地元当局はテレグラムに写真や動画を投稿し、ロシア国営メディアを通じてウクライナ軍を「侵略者」と非難している。
地元当局によると、ウクライナ軍は19日に150mm砲弾9発を郊外の集落に撃ち込んだという。
ドネツクの首長であるプシーリン(Denis Pushilin)は19日、バス停、商店、銀行などが破壊され、多くの市民が爆発に巻き込まれたと非難した。
ロシア軍はドネツク州南部の占領に成功したとみられるが、州全土を支配下に置くという目標は達成できずにいる。同州の東に位置するルハンシク州はロシア軍の支配下に置かれている。
一方、ウクライナ軍は南部と東部で反転攻勢を強め、北東部ハルキウ州の広い範囲を奪還した。ロシア軍はハルキウ州の東に位置するルハンシク州の守りを固めると予想されている。
ルハンスク州のガイダイ(Sergiy Gaiday)知事は19日、ウクライナ軍の戦車がハルキウ東部の橋を渡る映像を公開し、ウクライナが現在の最前線とみられるオスキル川左岸(東側)を取り戻したと報告した。
ウクライナ軍がオスキル川左岸に陣地を形成できれば、ハルキウ州東部とルハンシク州に攻め込みやすくなる。
ガイダイ氏は次の目標を「5月に占領された東部リマンの解放」と説明した。「リマンを取り戻せば、ルハンシク州はそぐそこだ。奪還はそう遠くない...」
ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は19日のビデオ演説で、「占領地を取り戻す準備を進めており、小休止している時間はない」と語った。
一方、ウクライナ国営原子力企業エネルゴアトム社は19日、ロシア軍が南部ミコライウ州にある同国第2の原発を砲撃したと非難した。
同社によると、ロシア軍の砲撃は原子炉建屋から300m程の地点に着弾したという。
IAEA(国際原子力機関)は声明で、「この砲撃により送電線の一部が破壊されたとエネルゴアトム社から報告を受けた」と述べている。
IEAEによると、原子炉3基につながる別の送電系統は無事で、冷却システムは正常に機能しているという。