◎MSFは1992年にロシアでの活動を開始。ホームレスや移民への援助、結核治療、エイズなどの感染症を含む、一般医療を提供するプログラムを運営してきた。
国際医療支援団体「国境なき医師団(MSF)」は17日、ロシア国内での活動を停止したと明らかにした。
それによると、首都モスクワにある事務所はそのまま残し、MSFオランダが運営する活動を停止したという。
MSFは1992年にロシアでの活動を開始。ホームレスや移民への援助、結核治療、エイズなどの感染症を含む、一般医療を提供するプログラムを運営してきた。
ロシアは国家を脅かすという理由で、さまざまな国際組織、NGO、団体を禁止してきた。
ウクライナ戦争が始まって以来、ロシアの安全保障と憲法秩序を脅かすという理由でグリーンピース、経済発展を妨げるという理由で環境保護団体の世界自然保護基金(WWF)、LGBTQ+(性的少数者)を支援する団体などが禁止リストに加わった。
またロシアはオランダで運営されている人気の英字紙モスクワ・タイムズも禁止した。
MSFは声明で、「ウクライナ戦争が始まって以来、ウクライナからロシアに渡ったり、ロシアで国内避難民となった5万2000人以上に支援を提供してきた」と明らかにした。
またMSFは「ウクライナ軍が先月、越境攻撃を開始したロシア西部クルスク州で国内避難民の人道的・医療的ニーズに対応する計画も立てていた」と述べた。
MSFによると、ロシア当局はMSF本体を禁じたわけではなく、MSFオランダの活動許可を取り消したという。