◎デンマークやスウェーデンなどのスカンジナビア諸国は主にイスラム諸国から、他国の文化、宗教、伝統に対する侮辱や誹謗中傷を助長する国として見られてきた。
デンマーク議会(一院制、定数179)は7日、イスラム教の聖典コーランを含む宗教文書を冒とくすることを禁じる法案を賛成多数で可決した。
デンマークでは今年、反イスラム主義者によるコーラン焼却デモが相次ぎ、イスラム諸国の怒りを引き起こした。
デンマークやスウェーデンなどのスカンジナビア諸国は主にイスラム諸国から、他国の文化、宗教、伝統に対する侮辱や誹謗中傷を助長する国として見られてきた。
法務省はこの新法について、「テロの脅威を強める一因となっている誹謗中傷に対抗するもの」と説明している。
「我々はデンマーク国家とデンマーク人の安全を守らなければなりません。すなわち、我々が長い間大目に見てきた組織的な冒涜を阻止することが重要なのです...」
議会は賛成94ー反対77で法案を可決した。
この新法は「ある宗教(共同体含む)にとって重要な宗教的意味を持つ書物や、そのように見える対象物を、公的に、あるいはより広い範囲に広める意図で、不適切に扱うことを禁じる」としている。
宗教に関連する芸術作品やその一部であるような物は禁止の対象とならない。これはイスラム教の預言者ムハンマドの風刺画が対象にならないことを意味する。
4時間を超える討論の間、左派・極右野党は中道政権を批判し続けたが、与党は同じ説明を繰り返した。
地元メディアによると、欧州の反イスラム活動家たちはイスラム諸国の大使館前、礼拝所、移民居住区などでコーラン焼却を含むデモを500回以上行ったという。
ある極右議員はこう嘆いた。「イスラム諸国の圧力に屈するのか?コーランを燃やして何が悪い?表現の自由を侵害する法案など焼き払ってしまえ」