デンマークとグリーンランド、トランプ関税撤回を歓迎も「主権は交渉の余地なし」
トランプ氏はスイス・ダボスの世界経済フォーラム場でNATO事務総長と将来の枠組み合意に達したとして、米国がグリーンランドに「全面的なアクセス」を得ることになるとの見解を示したが、デンマークとグリーンランドの首脳はいずれもそのような合意は存在しないと否定している。
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デンマークとその自治領グリーンランドはトランプ(Donald Trump)米大統領が北極圏を巡る安全保障協力を口実に「関税脅し」を転換した後も、グリーンランドの主権は交渉の対象ではないとの立場を堅持している。トランプ氏はスイス・ダボスの世界経済フォーラム場でNATO事務総長と将来の枠組み合意に達したとして、米国がグリーンランドに「全面的なアクセス」を得ることになるとの見解を示したが、デンマークとグリーンランドの首脳はいずれもそのような合意は存在しないと否定している。
トランプ氏はさらに、北極圏安全保障の強化を理由に、同地域への米国の軍事アクセスや地対空ミサイル防衛システム「ゴールデンドーム」の配備計画が検討されていると述べた。一方で、以前に欧州諸国に対して科すと示唆していたグリーンランドに関する関税は撤回した。これを受けてドイツや他の欧州同盟国は歓迎しつつも、領土保全の原則を堅持する必要性を強調している。
デンマークのフレデリクセン(Mette Frederiksen)首相は22日、北極圏の安全保障はNATO全体の課題として議論されるべきだとした上で、同国は主権に関して譲歩するつもりはないと強調した。また「我々は主権について交渉することはできない」と述べ、領土の完全性を尊重した形で同盟国との建設的な対話を進める意向を示した。
グリーンランド自治政府のニールセン(Jens-Frederik Nielsen)首相も、現時点でトランプ氏が言及したような「合意内容」を把握していないと表明し、「交渉はあくまで尊重ある対話を通じて行われるべきだ」との立場を示した。また、米国が軍事的・経済的に同地域の役割を拡大することについては協力の余地を認めつつも、主権そのものはレッドラインであると強調した。
NATO側もこの問題に関してデンマークやグリーンランドの主権を脅かすような提案はなかったとの見解を示している。ルッテ(Mark Rutte)事務総長とトランプ氏との協議では、主権譲渡は議題になっていないとされ、今後の協力はロシアや中国の北極圏での影響力拡大に対抗する目的で進められるべきだとしている。
こうした一連の動きは、北極圏の戦略的重要性が増す中で、米欧間の同盟関係と領土主権の扱いを巡る緊張が再び浮き彫りになった格好だ。特にグリーンランドは豊富な希少資源や戦略的軍事拠点として国際的な注目を集めており、米国が買収意向を示していることから、デンマークとグリーンランドの主権を巡る議論は引き続き国際政治の焦点となっている。
