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イタリア・ミラノで米移民当局に抗議するデモ、市内に配備

今回ミラノに配備されるICEの職員は、移民取り締まりを行う部署ではなく、国際的な捜査や越境犯罪対応を担当する「ホームランドセキュリティ・インベスティゲーション(HSI)」という部門に所属している。
2026年1月31日/イタリア、ミラノ、米国の移民税関捜査局(ICE)に抗議するデモ(AP通信)

イタリア北部ミラノで1月31日、来週開幕するミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックを前に、米国の移民税関捜査局(ICE)に抗議する大規模なデモが行われた。主催者によると、数百人が市内の広場に集まり、シュプレヒコールを上げたという。この広場はナチス・ファシズムからの解放を記念するもので、抗議のメッセージ性を強めた。

デモには左派系の民主党や主要労働組合のCGIL、第2次大戦中のパルチザン抵抗運動を記念するANPI(イタリア反ファシスト戦線全国協会)などのメンバーも参加した。主催者はプラスチック製の笛を配布し、音楽を流す車のそばで笛を鳴らしながら抗議の声を上げた。

抗議の中心となったのは、米国の移民政策や執行機関への強い批判だ。「ミネソタから世界へ、人権を守るすべての人々と共に(No thank you, from Minnesota to the world, at the side of anyone who fights for human rights)」と書かれた横断幕や、「二度と同じ過ちを繰り返すな(Never again means never again for anyone)」といった標語が掲げられた。また、人気のカクテル「スプリッツ」をもじった「Ice only in Spritz(ICEはスプリッツだけで十分)」というユーモラスな標語も見られた。

一部の参加者は米国内でICE捜査官が関与したとされる事件や拘束に対して怒りを示し、同機関を批判した。あるデモ参加者は「ICE=ゲシュタポ」と書かれたプラカードを掲げ、ミネソタ州ミネアポリスでの射殺事件や子どもたちの拘束映像を思い起こさせるものとして深い失望感を述べた。

今回ミラノに配備されるICEの職員は、移民取り締まりを行う部署ではなく、国際的な捜査や越境犯罪対応を担当する「ホームランドセキュリティ・インベスティゲーション(HSI)」という部門に所属している。彼らは会場周辺の街頭で治安を取り仕切るのではなく、管理室から支援を行うとされるが、この点を強調しても抗議の声は収まらなかった。

ミラノ市長はICEの配備を歓迎しないとの立場を示し、内相は今週、国会でこの問題について説明する見通しとなっている。批判の背景には、米国の国内政治や移民政策への懸念が根強くある。

ミラノ・コルティナ五輪は2月6日から22日まで開催され、米国の副大統領や国務長官の出席が予定されている。国際的な大規模イベントとして、治安や人権に関する議論が国内外で注目される中、今回の抗議行動はその象徴的な出来事といえる。

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