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デンマークの軍事施設にドローン飛来、当局が捜査、今週3回目

公共放送DRは中部ユトランドにあるカルップ空軍基地の上空で1機以上の不審なドローンが目撃されたと報じた。
2025年9月22日/デンマーク、首都コペンハーゲン近郊(ロイター通信)

デンマーク政府は27日、複数の国防施設周辺で身元不明のドローンが目撃され、当局が捜査していると明らかにした。

国防省はドローンが目撃された場所を明らかにしなかったが、複数の地元メディアが空軍基地付近で確認されたと報じている。

公共放送DRは中部ユトランドにあるカルップ空軍基地の上空で1機以上の不審なドローンが目撃されたと報じた。

それによると、ドローンは午後8時頃に空軍基地のフェンス周辺を飛行していたという。

DRは当局者の話しとして、民間の旅客機はカルップ空軍基地を利用しないため、影響は限定的であったと伝えている。ケガ人の情報もない。

デンマークでは24日から25日にかけて4つの空港でドローンが確認されたばかりである。

22日夜にはドローンがコペンハーゲン国際空港上空を飛行。約4時間にわたって滑走路が封鎖される事態となった。

北部のオールボー空港(軍事基地も併設)も数時間にわたって封鎖された。ドローンの目撃情報は24日午後10時直前から始まり、25日午前1時直前に最後の情報が入った。

2022年2月にロシアがウクライナへの全面侵攻を開始して以降、ロシアは従来の軍事攻撃に加え、欧州諸国に対してもドローン侵入やハイブリッド攻撃を活発化させている。これらの手法は、軍事的な直接攻撃に加え、情報戦やサイバー攻撃、経済的圧力などを組み合わせた多面的な攻撃であり、欧州の安全保障環境に大きな影響を及ぼしている。

ウクライナ戦争の激化に伴い、ロシアは攻撃用ドローンを大量に投入し、これを欧州諸国の領空にも飛来させている。例えば2022年以降、ポーランドやルーマニア、モルドバなどウクライナ周辺国の領空に、ロシア製の軍用ドローンや改造した商用ドローンが不法に侵入する事例が相次いだ。これらのドローンは偵察目的だけでなく、爆弾搭載による攻撃能力も持ち、一部は実際に軍事施設やインフラ、軍事物資の輸送路を狙った攻撃に使用された。欧州各国はこれらのドローンを撃墜するための防空体制強化を進めているが、ドローンの小型化や低高度飛行による検知の難しさが防衛を困難にしている。

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