SHARE:

デンマーク4空港上空にドローン、混乱拡大、ロシアのハイブリッド攻撃か

2022年2月にロシアがウクライナに侵攻して以降、EU諸国はロシアから多面的なハイブリッド攻撃を受け続けている。
2025年9月25日/デンマークのフレデリクセン首相(ロイター通信)

デンマークの4空港上空で24日夜から25日未明にかけて、身元不明のドローンが飛行した。

国防省は声明で、「ほぼ同じ時間帯に4空港でドローンが確認されたことから、ハイブリッド攻撃であると考えている」と述べた。

デンマークのコペンハーゲン国際空港では22日にもドローンが目撃され、約4時間にわたって滑走路が封鎖される事態となった。

国防省の報道官は記者会見で、「組織的な飛行の背後にはプロの犯罪者がいるようだ」と語った。

それ以上の詳細は明らかになっていない。どのようなドローンが飛行したかも不明である。

公共放送DRは情報筋の話しとして、「コペンハーゲン国際空港周辺で24日遅くに大型ドローンが目撃された」と伝えている。

フレデリクセン(Mette Frederiksen)首相は声明で、「これは恐怖と混乱を煽る行為であり、インフラの所有者がドローンを撃墜することを認める法案の提案を含む、ドローンを無力化する追加手段を講じる」と述べた。

北部のオールボー空港(軍事基地も併設)は数時間にわたり封鎖された。ドローンの目撃情報は24日午後10時直前から始まり、25日午前1時直前に最後の情報が入ったと伝えられている。

2022年2月にロシアがウクライナに侵攻して以降、EU諸国はロシアから多面的なハイブリッド攻撃を受け続けている。特に顕著なのは、軍事的圧力ではなく不安定化を狙った手法であり、ドローンの不審飛行、サイバー攻撃、偽情報拡散、エネルギー供給の操作などが組み合わされている。

例えば北欧やバルト諸国では軍事施設や重要インフラ周辺でのドローン目撃例が相次ぎ、監視や威嚇の意図が指摘されている。また、EU加盟国の政府機関や企業は大規模なサイバー攻撃を受け、情報窃取やシステム妨害が繰り返されている。

さらにロシア系メディアやSNSを通じた虚偽情報の拡散により、ウクライナ支援への疑念や社会的分断を煽る動きが見られる。加えて天然ガス供給の停止や価格変動を利用した圧力も行われ、経済的安定を脅かしている。これらは単独ではなく相互に組み合わされ、EU諸国の安全保障や世論に持続的な揺さぶりを与える形で展開されている。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします